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柔道整復師は、国家資格取得者が就労でき、患者の体の悩みを自らの手で改善する専門家です。柔道整復師としての就職先は、整骨院やスポーツ施設など幅広く、その事業所数も増加傾向です。ここでは、柔道整復師の求人票で確認すべき点や有効求人倍率、柔道整復師として就労するために必要なスキルなどについて解説します。

目次

  1. 実際の求人票をチェック!柔道整復師の求人情報
    1. 柔道整復師の求人情報はどこで入手できる?
    2. 柔道整復師の求人票はここをチェック!7つのポイントを確認しよう
    3. 求人票のチェックポイント1:「会社概要」で就労先情報を確認する
    4. 求人票のチェックポイント2:雇用形態や勤務地が希望に沿っているか確認する
    5. 求人票のチェックポイント3:「業務内容」から仕事の範囲を明確にする
    6. 求人票のチェックポイント4:自分が求人に応募できるかチェックする
    7. 求人票のチェックポイント5:選考プロセスや事前見学が可能か確認する
    8. 求人票のチェックポイント6:勤務時間や給与待遇が自分の希望に近いかチェックする
    9. 求人票のチェックポイント7:特記事項で求人元のサポート力を見極める
  2. 柔道整復師の給与相場
  3. 柔道整復師の就労者数や求人倍率はどれくらい?
    1. 柔道整復師の就労者数
    2. 有効求人倍率は県によって大きく差がある
    3. 柔道整復師就職者の学歴は?
  4. 柔道整復師の就職活動時期
  5. 柔道整復師として就職するには?
    1. 柔道整復師資格の取得
    2. 柔道整復師として働くために求められるスキル
  6. 売り手市場の柔道整復師。しかし就職に油断は禁物

実際の求人票をチェック!柔道整復師の求人情報

柔道整復師として就職を目指すならば、なによりもまず企業や事業所からの「求人」がなければいけません。ここでは、柔道整復師の求人情報の探し方や求人票のチェックポイントについて解説します。

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柔道整復師の求人情報はどこで入手できる?

柔道整復師の求人情報は、以下のようなさまざまな媒体で確認できます。

  • ネットの求人検索サイト
  • 駅やコンビニで手に入る求人情報誌
  • 整骨院や接骨院などのホームページ
  • ハローワーク

求人情報は定期的に更新されていますので確認しましょう。ただし、掲載されている情報のなかには、すでに採用が終了しており、募集を締め切っていることもあります。

ですので、自分が興味を持っている整骨院などに応募したい場合は、電話やメール等で直接採用枠が残っているのか、確認することをお勧めします。ハローワークを活用する場合は、担当職員に求人状況について確認してもらうことも可能です。

柔道整復師の求人票はここをチェック!7つのポイントを確認しよう

柔道整復師への就職を検討するとき、求人自体があるのかはもちろんですが、求人票の内容確認も重要です。以下について、まずは確認していきましょう。

  1. 自分に応募資格があるのか
  2. 業務の範囲は想定している内容か
  3. 給与待遇や休日、福利厚生などは、求めている水準か
  4. 選考プロセスはどうなっているか

実際にサンプルの求人票を見ながら、確認すべき7つのポイントについて解説します。

▽柔道整復師の求人票例

求人票

求人票のチェックポイント1:「会社概要」で就労先情報を確認する

まずは、求人している企業の情報を確認しましょう。このサンプルにおいては「会社概要」と書かれている欄(1)をチェックしていきます。書類によっては、「求人者」や「求人事業者名」、ハローワークの求人票では「会社の情報」と書かれている欄を注目します。

この会社概要においては、求人をしている会社名や事業内容等が記載されています。柔道整復師の求人は「整骨院」や「接骨院」などの医院に限らず、介護福祉施設やスポーツジムなどもあります。また、大手グループ院や個人医院などの違いもあります。自分が求めている業態の求人か否か確認しましょう。

また、「会社の特徴」では、求人元が目指す患者への接し方や職場の雰囲気も読み取れます。求める人材についても記載されている場合があるため、最初にチェックが必要な項目です。

求人票のチェックポイント2:雇用形態や勤務地が希望に沿っているか確認する

続いて、求人の内容をくわしく見ていきます。サンプルであれば(2)の部分を確認しましょう。雇用形態には、正社員雇用や有期雇用契約(パートなど)といった、雇用内容について記載されていますので、必ず確認しましょう。

勤務地については、複数店舗を経営している会社の場合は、自分が望まない地域への配属もあり得ます。配属予定先の記載があれば必ず確認しましょう。また、将来的な転勤の有無については、重要なポイントとなります。記載がない場合は、面接等で確認する項目として覚えておきましょう。

求人票のチェックポイント3:「業務内容」から仕事の範囲を明確にする

柔道整復師としての採用であっても、施術だけでなく事務作業や接客、患者とのカウンセリング業務とパソコンへの入力など、幅広い業務を担当することもあります。業務の流れと範囲をある程度把握して、気になる点については面接の際になどに確認しましょう。

サンプルでは「業務内容」と書かれている欄(3)を確認します。ハローワークの求人票では「仕事の内容等」と書かれていますので、見つけてみましょう。

求人票のチェックポイント4:自分が求人に応募できるかチェックする

柔道整復師の求人の場合、応募資格には大きく以下の2つがあります。

・柔道整復師の資格保有者 ・未経験でこれから資格を取得予定の人

すでに柔道整復師の資格を保有している人は、ほぼ間違いなく応募可能ですが、勤務経験がある人限定の求人もあります。

こちらは、サンプルにおいて「応募資格」と書かれている欄(4)から確認します。ハローワークの求人票では「仕事の内容等」の下段に「学歴」や「必要な経験等」に記載されています。

国家資格については、求人応募時点で柔道整復師の資格を取得していなくとも、入社後に資格取得をフォローしてくれる場合もあるので、資格を持っていないからといって諦める必要はありません。ただし、未経験であっても、専門学校や大学等で学習経験があり受験資格がある人しか応募資格がない場合も多いので、完全未経験の場合は確認が必要です。

求人票のチェックポイント5:選考プロセスや事前見学が可能か確認する

「選考プロセス」(5)では、応募から採用試験の実施、内定連絡のおおよその期間が記載されています。採用後の試用期間についてもチェックポイントです。試用期間がある場合、給与や手当などの条件に違いがあることもあります。ハローワークの求人票では「選考等」と書かれている欄を確認しましょう。

柔道整復師の求人の場合、職場の事前見学ができることがあります。採用された場合は、自分がこれから長い間就労する可能性のある職場です。選考プロセスに見学について明記されていなくても、事前に見学については相談するようにしましょう。

施設や職場の雰囲気、設備などの事前確認を行い、気になる点については、試用期間と条件もあわせて、採用面接の際に質問しましょう。

求人票のチェックポイント6:勤務時間や給与待遇が自分の希望に近いかチェックする

サンプルの(6)以降には、勤務時間や給与待遇、休日の設定などについて記載されています。誰もが気になるポイントなので、自分の希望に合っているか、または許容できる範囲の条件なのかをチェックしましょう。ハローワークの求人票では「労働条件等」と記載されている欄を確認します。

柔道整復師として就労した場合、営業時間次第では「シフト勤務」前提の職場もあるため、「完全週休2日制」とは限りません。休日の設定等についても確認しましょう。

求人票のチェックポイント7:特記事項で求人元のサポート力を見極める

「福利厚生」に含まれる場合もありますが、「特記事項」(7)として、研修制度や資格取得サポートなどについて記載されている場合があります。ハローワークの求人票では小さく書かれている「備考」欄に注目しましょう。

将来的に開業を目指す人を積極的に募集する場合もあるため、自身の柔道整復師としてのキャリア設計にとってプラスとなる就労先か否かをチェックする視点も重要です。

柔道整復師の給与相場

柔道整復師の給与については、やはり気になるところです。そこで、2019年のハローワーク求人票データを元に求人賃金を紹介します。月額の全国平均額は「26.4万円」であり、いくつか抜粋した各都道府県の求人賃金は以下のとおりです。

▽主な各都道府県の柔道整復師の求人賃金(月額) ・北海道:19.5 ~ 24.3万円 ・宮城県:20.1 ~ 29.8万円 ・東京都:26.4 ~ 29.2万円 ・神奈川県:22.1 ~ 29.4万円 ・愛知県:23.4 ~ 35.6万円 ・京都府:23.5 ~ 32.4万円 ・大阪府:23.4 ~ 29.4万円 ・兵庫県:22.8 ~ 32.1万円 ・広島県:19.7 ~ 28.6万円 ・福岡県:21.4 ~ 31.7万円 出典:厚生労働省 職業情報提供サイトより編集部調べ

採用時のポジションはもちろん、大手グループ院や個人医院などの違いで給与設定は大きく異なります。求人票から、「会社概要」「求人事業者」の情報や「勤務時間」などと突き合わせながら、給与については確認をしていきましょう。

柔道整復師の就労者数や求人倍率はどれくらい?

柔道整復師を一生の仕事として考えるとき、業界の大きさや将来性も考えたいところです。実際の就労者数の推移と求人倍率について、確認していきましょう。

柔道整復師の就労者数

政府統計である『衛生行政報告例(就業医療関係者)』では、医療関係の就労者数や事業所数について報告されています。

▽柔道整復師の人数と施術所数の推移

2018年の報告結果では、柔道整復師の就労者数や事業所数が2008年以降で最大となっており、就労者は7万人を超えています。施術所数(事業所数)も同じように増加傾向なので、柔道整復師の求人は今後も一定数はあると見て取れます。

有効求人倍率は県によって大きく差がある

一方、求人倍率はどうでしょう。2019年の全国ハローワークのデータでは、有効求人倍率は「3.84」です。柔道整復師1人に対して求人数が3.84もあることを示しており、とても就職しやすい売り手市場であるということになります。

しかし、全国平均では売り手市場の柔道整復師の仕事ですが、いくつかの都道府県の有効求人倍率を見ると、違った側面も見えてきます。じつは、都道府県によって有効求人倍率には大きく差があるのです。

▽主な各都道府県の柔道整復師の有効求人倍率 ・北海道:2.38 ・宮城県:5.78 ・東京都:6.67 ・神奈川県:1.17 ・愛知県:3.32 ・京都府:7.22 ・大阪府:5.34 ・兵庫県:3.91 ・広島県:1.83 ・福岡県:3.61 出典:厚生労働省 職業情報提供サイトより編集部調べ

全国平均では、類似した業態である鍼灸師の有効求人倍率「1.27」に比べて、求人数が多く、柔道整復師は就職しやすいと判断できます。しかし、上記のデータを見ると、神奈川県のように1倍台前半の数字となっている県も見えてきます。1倍台となると、競争率は激しく、第一志望へ就職できるかどうかは、難しい可能性があります。

このように柔道整復師は、地域によって求人の倍率が異なるので、自分の勤務希望先の求人倍率もチェックしましょう。

柔道整復師就職者の学歴は?

厚生労働省の『職業情報提供サイト』では、柔道整復師の事業所に対して行ったアンケート結果から、就労者のおおよその学歴が紹介されています。

▽柔道整復師就労者の学歴(参考値)

結果を見てみると、85.7%と専門学校卒が最も多く、次に大学卒業者と続きます。柔道整復師に関連した専門学校や大学等で学んで、すでに資格取得条件を満たした人の就労が多いと考えられます。

柔道整復師の就職活動時期

気になる就職活動の時期ですが、これは、柔道整復師の資格を取得してから就職するか、資格の取得前に就職を決めるかで異なります。

柔道整復師の資格試験日程は、毎年3月上旬で合格発表は3月下旬です。資格取得後の就職活動となると早くとも3月末から、となります。

しかし、資格取得後に活動を始めていては、他の応募者に出遅れる可能性もあります。すでに解説したとおり、就職は売り手市場のため、いつでも就職しやすいともいえます。しかし、志望の就職先はいつでも求人をしているわけではありません。やはり求人情報は常に確認しておく必要があるでしょう。

なお、柔道整復師の資格取得前でも採用試験を行っている事業所や企業、医院もあります。こちらは4月、5月からの求人もありもあるので、しっかりチェックをしておきましょう。大手グループ院などへの就職を考える場合は、一括採用の可能性もあるため、特に注意が必要です。

柔道整復師として就職するには?

柔道整復師は国家資格を取得した職業です。この肩書をもとに、接骨院、整骨院や病院などの各事業所へ就職するのです。そのため、基本はこの柔道整復師の国家資格を取得する必要があります。

柔道整復師資格の取得

柔道整復師として働き、施術業務を行うためには、国家資格である「柔道整復師」の資格が必須です。2020年3月に行われた「第28回柔道整復師国家試験」の合格率は、64.5%(受験者数:5,270名、合格者:3,401名)です。10人に3~4人は不合格となる資格試験ですので、しっかりした対策が求められます。

柔道整復師として働くために求められるスキル

柔道整復師として働くとき、当然ですが施術スキルは重要です。しかし、これは就職した後に磨くべきものといえます。一方、就職においては、特に以下のようなスキルが重視されます。

・患者やお客様の悩みをしっかりと聴き取る「傾聴力」 ・具体的な治療内容や方針を伝える「説明力」 ・施術を通して相手の反応を注意深く確認する「観察力」

ここで取り上げた「傾聴力」「説明力」「観察力」は、すべてコミュニケーションのスキルとなります。柔道整復師の仕事は、体に悩みを抱える患者への関わり方が非常に重要なため、上記のようなコミュニケーションスキルの高い人材は、特に重要視されます。

売り手市場の柔道整復師。しかし就職に油断は禁物

柔道整復師の就労者数は7万人ほどであり、有効求人倍率の全国平均も「3.84」と売り手市場ではあります。ただし、人気の求人にはそれだけ多くの応募者が殺到するため、求人倍率が低くなることもあります。

柔道整復師の求人票は、まず「応募資格」を満たしているかを確認して、仕事の内容や給与待遇、勤務時間等の就労条件をチェックしましょう。

また、柔道整復師として働き始めれば、実際の施術スキルを継続して学んでいく必要があります。この点で、スキルアップのしやすい環境が整っていることは、よい就職先の条件となりそうです。求人票だけでなく、職場訪問や面接にて、実際に確認していきましょう。

将来的に独立を目標とするならば、独立支援や各種研修補助などを受けられる求人に注目しておくこともよいでしょう。

売り手市場とは言っても、理想の求人はいつでもあるわけではありません。求人はいつも確認し、悔いのない就職活動をしていきましょう。

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