若手に聞く「治療家のやりがい」#2
(画像=森口新太郎撮影)

連載「若手に聞く『治療家の仕事のやりがい』」では、若手の柔道整復師・鍼灸師にインタビューし、治療家を志すことにしたきっかけや仕事のやりがい、新人時代に直面した困難について伺います。

第2回でお話を伺ったのは34歳で整骨院の院長を務める小林大介さん。整形外科に就職した後、柔道整復師に加えて鍼灸師の資格も取得、その後に整骨院へ転職しました。

順中満帆に見える小林さんのキャリアですが、患者さまからの「他の先生に診てほしい」という厳しい一言が成長のきっかけになったのだとか。小林さんの経験を詳しく聞いてみましょう。

小林氏
▽プロフィール

小林大介さん
1986年9月9日生まれ、千葉県出身。了徳寺学園医療専門学校で学び、柔道整復師の資格を取得。2011年に卒業し、整形外科で働きながら鍼灸師の資格を取得。現在は千葉県にある市川さくら整骨院の院長を務める。

勉強の原動力は「痛みに苦しむ人をサポートしたい」気持ち

——柔道整復師・鍼灸師を目指したきっかけを教えていただけますか?
僕は小さい頃から野球をしていました。しかし、高校生の頃、原因不明の腰の痛みに襲われ、大好きだった野球を休まざるを得ない状況に。気持ちがふさぎ込む日々が続いたのですが、子どもの頃からお世話になっていた整骨院の先生がとても親身に寄り添ってくれました。

その時、はり治療を受けて、腰の痛みが劇的によくなったんです。先生には、心身共にサポートしてもらい、感謝してもしきれません。

その頃から、整骨院で働き、痛みに苦しむ人の支えになりたいと思うようになりました。自分の将来像が見えた瞬間でした。

——高校や専門学校ではどんな学生生活を送りましたか?
高校時代は、正直、あまり勉強はしていません(笑)。とにかく野球が好きで、野球漬けの毎日でしたね。大切な思い出もほとんど部活動にあります。休みがほとんどなかったけど、それでもぜんぜん苦にならないぐらい楽しかったです。

専門学校に入った時、言葉は悪いですが、最初はなめていたんです。それでほとんど勉強をしなかったら、最初の試験で赤点を6つもとってしまって。「このままでは3年間を無駄にしてしまう!」と気づき、心を入れ替え、そこから火がついたように勉強しました。

専門学校によってカリキュラムは違いますが、僕の通っていた学校は、東洋医学や美容などさまざまな専門分野を学ぶことができました。学んだ内容は今でも実践に活かせています。実技試験の模擬演習も、本番感覚で臨むことを意識していました。

——国家試験対策はいつ頃から始めましたか?

専門学校生だと、3年生になってから本格的に勉強をスタートする人もたくさんいます。ただ僕の場合、赤点の衝撃があったので、1年の夏から国家試験までずっと勉強をしていましたね。

「整骨院で痛みに苦しむ人をサポートしたい」という将来像があったから、勉強にもまい進できたのかもしれません。

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就職活動では学べる機会の多さを重視

森口新太郎撮影
(画像=森口新太郎撮影)

——就職活動をいつ始め、どんな風に進めていったかを教えてください。
国家試験が終わった2月頃に、友人が紹介してくれた整形外科で働くことを決めました。いわゆる普通の就活はしていないので、珍しいパターンだと思います。

——就職活動で重視していたポイントはありますか?
柔道整復師の就職先はたくさんあります。その分、自分が求めることが叶う就職先を選ぶことが大切です。

僕の場合、「学べる機会が多いところ」が第一条件でした。信頼できる友人の紹介なら間違いないので、結果的に整形外科を最初の就職先に選びました。

柔道整復師だけでなく、鍼灸師の資格をとることも最初から決めていました。ですので、整形外科で働きながら鍼灸師の学校に通って勉強し、無事に資格を取得しました。

——整形外科から整骨院へ転職した理由を教えてください。
整形外科では、とてもたくさんのことを学び、貴重な経験をさせてもらいました。ただ、整形外科ではどうしても、「ケガに対して治療する」ことがメインになります。僕はもともと、矯正治療や全身調整や東洋医学にも関心がありました。

そこで自分のやりたいことをもう一度見つめ直し、全国に100の治療院を展開するケイズグループに入社しました。

僕が特に注目したのは、勉強会が多く内容が充実しているか、若くして活躍できる環境があるかということです。職場によっては、入社してもすぐに治療に携わらせてもらえないことも少なくありません。そのあたりは、就職先を選ぶ時にしっかり見極めが必要だと思います。

ケイズグループは学びの場が豊富で、研修にすごく力を入れている会社です。若くして院長になるなど経営に携わる経験もできるので、僕の求める条件とマッチしていました。

——実際に働いてみて、学びの機会は充実していると感じますか?
グループ院の強みを活かし、成功事例を共有する場があるのはうれしいですね。知識だけでなく、実務を通じてリアルな学びを得ることができます。自費治療の経験を積むことができる点にも満足しています。

ケイズグループには熱い人が多く、働いていて楽しいです。ライバルがたくさんいる環境なので、とても刺激になります!同期入社した社員同士は距離が近く、仲間意識の強い会社だと思います。

治療家にとって患者さまは指導者

森口新太郎撮影
(画像=森口新太郎撮影)

——仕事をしていてやりがいを感じるのはどんな瞬間ですか?
痛みを感じて来院された患者さまにはり治療をすると、感謝の言葉をいただくことがあります。「ずっと痛かったのに、見違えるぐらいよくなった!ありがとう!」「治療してもらったらすごく楽になった、ありがとう」そんな言葉をもらった時が、何よりも嬉しい瞬間です。

また、痛みに対処するだけでなく、東洋医学的な観点で全身の不調を取り除く仕事にもとてもやりがいを感じます。東洋医学は奥深く、学ぶことが多いので、まだまだ成長していけるという実感があります。

——働き始めて苦労した経験はありますか?
資格を取りたての頃は、年齢も若く、患者さまに信頼してもらえないことがありました。「あなたでなく、ベテランの先生にみてもらいたい」そう言われて、悔しい思いをしたことが、成長するきっかけになったと感じています。

僕は、そう言われた患者さまといっぱい接することを心がけました。言われたことに傷ついて逃げてしまっては、先に進めません。「あの人にやってもらいたい」と思われるよう、患者さまの話に関心を持ち、たくさん、たくさん、話をしました。

1年ほど経った頃、以前厳しい言葉をくださった患者さまから「ありがとう、またよろしくね」と言ってもらえたんです。その言葉をもらえた瞬間、苦労はすべて報われたと感じました。

厳しい言葉をいただいたからこそがんばれたので、とても感謝しています。治療家にとって患者さまはある意味、指導者でもあると思っています。

治療家も経営者も、「愛」が大切!

——院長になって変わったことはありますか?
一般スタッフだった頃、院長先生に怒られても、意図がわからないことがありました。でも院長になった今、その時言われたのと同じことを自分がスタッフに言っていることがあって(笑)。経営者という立場になった今、それだけ視野が広くなったんだと思います。

経営者は、数字にも気を配る必要があります。だけど最初は、全然わからなくて。上司であるマネージャーに「来院数はこうみる」「売上の数字はこうみる」と、1つ1つ丁寧に教えてもらいました。

数字の管理能力は、いつか経営をしたいなら、必ず身につけておきたい能力の1つです。将来開業を目指している人にとっても、いい環境だと思います。

——院長として大切にしている考え方を教えてください。
院長として大切にしているのは、人間力です。人間力は、「患者さまに愛を持って接する」ことで磨かれると僕は考えています。患者さまに関心を持ち、感謝を忘れず、愛を持って接する。それが治療家としても経営者としても大切なことです。

また、「目の前の患者さまがどうやったらよくなるか、楽になるか」という気持ちを忘れず、常に考え勉強することが重要です。

治療の腕、学ぶ姿勢、人間力。これからも誰より努力し、すべてに磨きをかけていきたいです。

——これからの目標や将来に向けての展望はありますか?

今後は、さらに上のポジションを目指してがんばっていきたいです。今の目標は、マネージャーです。

ケイズグループでは、年齢や年数にかかわりなく、努力すれば経営に携わるチャンスをつかめます。分院長やブロックマネージャー、エリアマネージャーなどたくさんのポストがあり、どんどんキャリアアップしていくことができます。

僕は今のところ開業は考えておらず、業界No.1のケイズグループで自分の能力に磨きをかけていきたいです。

最近は、人材育成にも関心があります。自分の経験や感じたことを伝え、一緒に活躍できる先生を育てることができたら、幸せだなと思います。

——これから柔道整復師・鍼灸師を目指す学生さんへのメッセージをお願いします。
治療家としても経営者としても、「患者さまのため」という視点が大切です。患者さまをよくするために、今のうちにたくさん学び、治療して、業界で活躍できる人材へと成長していってください。きっと楽しい未来が待っています、応援しています!

森口新太郎撮影
(画像=森口新太郎撮影)

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