骨折の種類や症状を解説!基礎知識と柔道整復師としての対処法チェック
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骨折は柔道整復師がかかわる機会の多い怪我の1つです。骨折の原因や骨折の種類、症状といった柔道整復師に必要な知識をチェックし、柔道整復師としての骨折へのアプローチ方法を確認していきましょう。医師との連携や線引きについても解説していきます。

目次

  1. 骨折の症状を正しく理解しよう
    1. 骨折は骨が折れた状態だけをさすのではない 
    2. 骨折の原因は大きく分けて3つ!それぞれを解説 
    3. 骨折の症状 
    4. 骨折の治癒は3段階 
  2. 代表的な骨折の種類6つを紹介 
  3. 柔道整復師としての骨折の対処方法
    1. 評価 
    2. 施術 
    3. 医療機関との連携
  4. まとめ:柔道整復師としての骨折へのかかわり方を理解しよう

骨折の症状を正しく理解しよう

まずは、骨折とはどんな症状を指すのか確認していきましょう。骨折の原因にはどのような種類があるのか、治癒の経過についても段階ごとに解説していきます。

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骨折は骨が折れた状態だけをさすのではない 

骨折は骨が折れた状態をイメージする方が多いでしょうが、折れているケースのみを骨折というのではありません。程度にはさまざまあり、小さなひびが入っている状態も、折れたり、砕けたりしている状態も広く骨折と定義されます。 骨折の程度による分類には「完全骨折」と「不全骨折」があるのでそれぞれを紹介していきましょう。

  • 完全骨折
    骨の連続性が断たれている状態のことで、完全に骨が折れているケースです。

  • 不全骨折
    一部骨の連続性が断たれていても骨全体の形状は保たれている状態のことで、ひびが入っているなどのケースです。

完全骨折は命にかかわるケースもありますが、不全骨折は患者様自身が自分で骨折していると気がつかないこともあります。

骨折の原因は大きく分けて3つ!それぞれを解説 

骨折の原因は大きく分けて、外傷、疲労、病気の3つが挙げられます。原因により骨折の種類が分類されているので、確認していきましょう。

  • 外傷性骨折
    健康な骨に一時的に大きな力がかかって起こる骨折です。

  • 疲労骨折
    同じ場所に集中して繰り返し力がかかることで起こる骨折です。弱い力でも長時間にわたって力が加わることで、小さなひびが生じ徐々に大きくなります。スポーツをする方などに多いのが特徴です。

  • 病的骨折
    病気により骨が弱り、小さな力でも起こる骨折です。

骨折の症状 

骨折の症状を紹介していきましょう。骨折の程度や種類により症状は異なりますが、痛み、変形・異常可動性、内出血、腫れなどの症状が代表的です。

痛みについては、疲労骨折や病的骨折といった一見わかりにくい骨折でもそっと押すと「圧痛」という痛みがでるので覚えておきましょう。外見からわかる明らかな怪我ではなくても、痛みが続く際は骨折が疑われます。

変形・異常可動性についてはパッと見ただけで骨折しているとわかるケースです。骨折している部分が曲がることを「変形」、関節ではない部分の骨が動いたり曲がったりすることを「異常可動性」といいます。このようなケースは強い痛みや腫れが生じることがほとんどです。

骨折して内出血が起こることもあります。骨折部や、骨の周りの筋肉や腱などの組織が傷ついた際はそこからも出血します。骨折で大量に出血した際、めまいや冷や汗といった症状や意識消失など脳貧血症状が出ることもあるので注意が必要です。

腫れは内出血の影響や炎症によって起こります。折れた骨によって太い血管が傷ついた際、急激に腫れてくることがあるので覚えておきましょう。

冷や汗や意識消失などの脳貧血症状、急激に患部が腫れるなど、大量の出血が疑われるケースはすぐに救急車を呼ぶなどの措置が必要です。

骨折の治癒は3段階 

骨折は3つの段階(炎症期、修復期、リモデリング期)を経て治癒します。それぞれの段階を説明していきましょう。

  • 炎症期
    外傷による骨折では、骨折部で炎症症状がでることに加え、骨髄からの出血で成長因子を含んだ血腫という血液が凝固した塊ができます。この時期が炎症期です。炎症がひいていくのと並行して、血種内から出てくる成長因子がさまざまな細胞を増殖させます。

  • 修復期
    修復期は骨折部の周りにある骨膜細胞が骨芽細胞に変化して、骨の修復をする期間です。まずは軟骨が形成され、徐々に骨芽細胞が軟骨を新たな骨に置き換えていくような流れで修復されます。

  • リモデリング期
    軟骨から骨に置き換わったばかりの骨折部は、もろかったり、デコボコしていたりしますが、これが徐々に元の骨のような強い骨に戻っていきます。この時期がリモデリング期です。

炎症期は骨折直後から2~3週間、修復期は数週間、リモデリング期は数週間~数カ月、ケースによっては数年といわれます。

骨は常に新陳代謝を繰り返す再生能力が高い組織です。折れた部分に新しい骨ができ、さらに時間をかけて作り変えられていくので、適切なケアを施せばほとんどのケースで正常な機能が戻るといわれています。

代表的な骨折の種類6つを紹介 

骨折の原因、症状や治癒プロセスを確認したところで、次は骨折の種類について紹介していきましょう。柔道整復師としておさえておきたい、代表的な骨折6種類をピックアップしました。

  • 骨折の種類1:単純骨折(閉鎖骨折)
    骨折の際に皮膚が破れていない、骨が露出していない状態を単純骨折といいます。

  • 骨折の種類2:開放骨折
    骨折の際に皮膚や軟部組織が破れ、傷口から骨が露出した状態を開放骨折といいます。傷口が細菌などで汚染されているケースが多いのが特徴です。

  • 骨折の種類3:粉砕骨折
    骨片が3つ以上に砕ける骨折です。交通事故などで強い衝撃を受けた際や、骨粗しょう症などで骨がもろくなってしまった方が転倒して起こるケースがあります。

  • 骨折の種類4:疲労骨折
    前項でも紹介しましたが、同じ部分に継続的な力が加わることで起こる骨折です。部位としては足や腰に多く見られ、スポーツなどで長期にわたり負担がかかった際などに起こるほか、女性ホルモンの低下が原因となって起こるケースもあります。

  • 骨折の種類5:圧迫骨折
    骨が圧迫されつぶれたように変形する骨折です。腰や背中に起こり、強い痛みが出るケースも多くあります。骨粗しょう症などが原因で骨がもろくなると起きやすいのが特徴で、高齢の方が尻もちをついた際などに起こしやすい骨折です。

  • 骨折の種類6:剥離骨折
    腱や靭帯の付着部から骨の一部が剥がれて起こる骨折です。外部からの衝撃やスポーツ時などの筋肉の急激な収縮により起こります。手や足首に起こることが多いのが特徴です。

柔道整復師として理解しておきたい6種類の骨折を紹介しましたが、骨折の種類は上記以外にもさまざまです。自身の進路に合わせて知識を深めていくと良いでしょう。

柔道整復師としての骨折の対処方法

最後に、柔道整復師は骨折にどのように対処すべきか、評価から施術まで治療について解説していきます。柔道整復師と医師では骨折の治療法が異なります。 後半でふれる両者の連携も柔道整復師として働くうえで重要なポイントですので、あわせて確認してください。

評価 

柔道整復師は、視診、触診、問診をベースに患者様を診察し、怪我(骨折)の種類や程度を把握します。医師はX線写真などを用いた診断ができますが、柔道整復師はできません。 そのため、最近の接骨院では超音波画像診断装置(エコー)を導入し、視診、問診、触診の後、エコー画像で確認しながら痛みの有無や痛みの強さ、痛む部分などを特定し、慎重に患者様の状態を把握しています。

診察の結果をふまえて治療方針を決定していきますが、柔道整復師は医師とは異なり、薬を出したり手術などの外科的療法を選択したりすることは認められていません。柔道整復師は、患者様の自然治癒力を生かした治療をベースに患者様を回復に導きます。

施術 

骨折の際は整復法、固定法、後療法を用いて施術していきます。

  • 整復法
    骨や関節がずれた際、手で揉む、伸ばす、などで元の状態に戻す方法です。患部のみでなく周りの状態も把握して施術することが大切となります。骨折の際は応急処置として整復法を行うことができますが、その後の施術には医師の同意が必要となるので覚えておきましょう。

  • 固定法
    骨折した患部を皮膚の外側から固定材料を使って固定する方法です。ギプスなどで患部を動かさないようにすることで回復を図ります。

  • 後療法
    手技療法、物理療法、運動療法で刺激を与えて患部の回復を早める方法です。それぞれについて、詳しく解説していきましょう。

手技療法は、強擦法(きょうさつほう)や圧迫法(あっぱくほう)、振せん法(しんせんほう)などさまざまな手技を駆使して体に刺激を加える方法です。手技療法は柔道整復術の原点ともいわれ、骨折の際はギプスで固定していた関節を回復させる際などに用いられます。

物理療法は、電気や光、水、温熱、音波といった物理的エネルギーで体に刺激を与え、正常な機能を取り戻していく方法です。たとえば骨折により麻痺した関節に温熱療法で刺激を与えて血行を促すといった施術がされます。

運動療法は、運動を取り入れてより早く日常生活に戻れるよう機能回復を図る方法です。骨折による固定で固まってしまった関節や低下した筋力を回復させる際に用います。

物理療法以外は基本的に柔道整復師の手で施術します。知識や基本的な技術とともに、コミュニケーション能力や経験も必要となるのがポイントです。

医療機関との連携

柔道整復師は国家資格で厚生労働大臣免許を与えられていますが、治療の方法については法律で制限があるので注意が必要です。先ほどもふれましたが、柔道整復師は診察の際にX線写真などを用いた診断はできません。また、手術や投薬は医師のみができる治療方法です。
柔道整復師の治療範囲を超える重度の骨折や気になる症状があるケースは積極的に近隣の整形外科を紹介するなど、医師との連携も重要です。

骨折患部の施術については、応急処置段階での整復は柔道整復師の判断で実施可能ですが、その後の施術には医師の同意が必要となることも覚えておきましょう。

まとめ:柔道整復師としての骨折へのかかわり方を理解しよう

骨折にはさまざまな種類があり、程度や症状はケースにより異なります。スポーツや日常的な動作によるものから外傷によって起こるものまで、柔道整復師としてかかわる骨折は多岐にわたり、評価や施術のために幅広く骨折の種類や症状を理解しておくことは大変重要です。 骨折においては近隣の医師との連携も不可欠なので、両者の線引きや役割についてもしっかりと理解し心得ておきましょう。

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