柔道整復師が治療時に守らないといけない柔道整復師法!項目ごとに徹底解説
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国家資格である柔道整復師は、柔道整復師法において、治療行為の範囲が決められています。国家試験を突破するためにも、将来柔道整復師として働くうえでも、守らなくてはならない重要な知識です。柔道整復師法で押さえておきたい項目を確認していきましょう。

目次

  1. 柔道整復師法とは?<柔道整復師について>
  2. 柔道整復師法<免許についての関連法規>
    1. 免許の欠格事由
    2. 免許の登録申請と免許証の交付
    3. 免許証の再交付
    4. 名簿について
  3. 柔道整復師法<試験>
  4. 柔道整復師法<施術所>
    1. 施術所に関する届け出事項
    2. 施術所の構造基準
  5. 柔道整復師法<罰金・広告>
    1. 禁止事項について
    2. 守秘義務
    3. 広告の制限
  6. 柔道整復師法に違反したらどうなる?
  7. まとめ:柔道整体師法の重要項目をきちんと理解しよう

柔道整復師法とは?<柔道整復師について>

昭和45年4月14日に施行された柔道整復師法は、柔道整復師の目的や定義、免許の交付や業務の停止、治療行為の制限など、柔道整復師の職務や資格などについて定められている法律のことです。柔道整復師の業務が正しく運用されるようにするのが主な目的です。 柔道整復師は、この法律に定められている業務内容にそって業務を行わなくてはなりません。 第1~2条には、法律全体の決まりとして、柔道整復師法の目的と、柔道整復師の定義について書かれています。

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柔道整復師法<免許についての関連法規>

まずは柔道整復師の免許についての関連法規を押さえていきましょう。

免許の欠格事由

免許の欠格事由とは、柔道整復師に求められる状態を満たしていないと判断されることです。国家試験に合格したとしても、免許の欠格事由があると判断された場合、免許は発行されません。

免許の欠格事由としては

  • 心身の障害が原因で業務が行えない人(厚生労働省令で定められている)
  • 麻薬・大麻・あへんの中毒者
  • 罰金以上の刑を受けた人
  • 業務での犯罪や不正行為があった人
    です。(第4条 相対的欠格事由)

心身の障害については、厚生労働省令で認められた人のみが対象となっており、軽度の躁うつ病やパニック障害などは当てはまりません。誤った理解をする人も少なくないので、正しく理解しておきましょう。

免許の登録申請と免許証の交付

試験に合格しても、すぐに柔道整復師として働けるわけではありません。申請して柔道整復師名簿に登録することで、柔道整復師免許証が与えられます。

免許申請のときには、

  • 申請書
  • 医師の診断書(定められた書式のもの)
  • 返信用切手を貼った登録済証明書
  • 登録免許税9,000円の収入印紙
  • 手数料4,800円の振り込み領収書
  • 戸籍抄本もしくは住民税の写し

などが必要です。(第6条 登録及び免許証の交付)

免許証の再交付

免許証の再交付を申請できる条件は、破った・汚した・失くした場合です。免許証再交付の手数料は4,000円となっています。失くした免許証が見つかった際の返納期限が5日以内であることは、試験にもよく出題される項目ですので覚えておきましょう。 また、免許に記載されている内容に変更があった場合には、3,700円の手数料を支払うことで書き換え申請ができます。 ただし、上記の理由で免許証が手元になくても、柔道整復師業を行えるかの判断は「名簿への登録の有無」なので、業務を行っても問題はありません。(第8条の6 指定登録機関が登録事務を行う場合の規定の適用等)

また、再交付と再免許の違いについても押さえておきましょう。再免許とは、免許が取り消されたあとに、取消事由に当てはまらなくなった、または再度免許取得が認められた際、再び免許を取得することを指します。 再免許を与えることができるのは、厚生労働大臣です。(附則 第3条)

名簿について

柔道整復師名簿に書かれるのは、

  • 登録番号
  • 登録年月日
  • 本拠地
  • 氏名
  • 生年月日
  • 性別
  • 試験合格年月

となっています。

さらに、該当があれば

  • 免許の取消や業務停止処分に関する事項
  • 再免許の理由
  • 免許を書き換え交付・再交付した理由と年月日
  • 登録削除の理由と年月日

についても記載されます。

定められた事項以外は、名簿に記載されません。名簿に記載される項目についてもよく出題されます。施術所の届け出事項についての内容と混同されることが多いため、区別して覚えておきましょう。(柔道整復師法施行規則 第2条 名簿の登録事項)

名簿に記載されている事項に変更がある場合は、厚生労働大臣に名簿の訂正を申請します。
状況に変化があった時点から30日以内に訂正事項を申請しなければならず、30日を超えてしまうと違反行為とみなされます。(柔道整復師法施行規則 第3条 名簿の訂正)
名簿から削除する場合も、厚生労働大臣への申請が必要。自分の意志で削除し、免許を返納することもできます。
名簿登録者が死亡、もしくは失踪宣告を受けた場合には、その日から30日以内に、戸籍法による届け出義務者が、登録の削除を提出します。
申請が必要な名簿の訂正や削除については、よく出題される重要ポイントです。(柔道整復師法施行規則 第4条 登録の消除)

柔道整復師法<試験>

第10~14条に規定されているのは、柔道整復師になるための国家試験についてです。試験を実施するのは厚生労働大臣で、試験問題を作ったり採点を行ったりするのは、指定試験機関である公益財団法人柔道整復研修試験財団となっています。
受験資格があるのは、文部科学大臣の指定した大学や専門学校、都道府県知事の指定した柔道整復師養成施設において、必要な知識や技能を身につけた人です。

試験で不正があった場合、公益財団法人柔道整復研修試験財団は、受験を停止させる、または無効にすることができます。試験を受けるためには受験手数料16,500円が必要です。
過去に、第13条の指定試験機関が不正行為者にできる行為についての問題が出題されたので覚えるようにしておきましょう。(第10条~14条 試験)

柔道整復師法<施術所>

続いては、施術所に関する決まりについて見ていきましょう。

施術所に関する届け出事項

施術所の開設は、柔道整復師の資格がなくてもかまいません。

施術所の届け出事項としては、

  • 開設者の氏名、住所(法人の場合は名称と事務所の所在地)
  • 開設年月日
  • 名称
  • 開設する場所
  • 施術する柔道整復師名
  • 構造設備の概要と平面図

です。

上の見出しで解説した、施術所の届け出事項としっかり区別しておきましょう。(柔道整復師法施行規則 第17条 届出事項)
施術所を開設した際は、開設してから10日以内に、都道府県知事に届出を提出する必要があります。休止や廃止、変更があった際も、届出の期限は10日以内です。(第19条 施術所の届出)

施術所の構造基準

施術所の構造基準は、柔道整復師法により詳しく定められています。構造基準を満たしていなければ届出をすることはできません。施術所の構造基準は以下の通りです。

  • 6.6㎡以上の専用施術室があること
  • 3.3㎡以上の待合室があること
  • 施術室の1/7以上を外気に開放できる、もしくは換気装置がある
  • 施術に使う器具や手指の消毒施設がある
    (柔道整復師法施行規則 第18条 施術所の構造設備基準)

施術所に求められている衛生上必要な措置とは、常に清潔な状態を保つこと、十分な明るさ、換気ができることです。なお、照明に必要な明るさは、具体的には決められていません。(柔道整復師法施行規則 第19条 衛生上必要な措置)

柔道整復師法<罰金・広告>

近年問題になっているのは、過大広告などの違反広告です。知らなかったは言い訳にならないので、広告を出す前にはきちんと確認しておきましょう。

禁止事項について

第16~17条に書かれているのは、柔道整復師の業務の範囲についてです。柔道整体師ができるのは、ケガによって損傷した骨や関節、筋肉、じん帯に対し、柔道整復術を使った施術のみで、外科手術や投薬、投薬の指示はできません。
また、応急処置を除き、医師の同意なしに脱臼や骨折への施術も不可となっています。同意を得る医師は、整形外科以外の医師でも問題ありませんが、歯科医は含まれません。
同意を得るのは書面や口頭を問いませんが、まず医師に患者を診察してもらう必要があることも知っておきましょう。

応急処置とは、医師の診察を受けるまで放置してしまうと、命や体に影響を及ぼす恐れがある場合に、柔道整体師の業務範囲内で患部を修復することを指します。(第16~17条 外科手術、薬品投与等の禁止、施術の制限)

守秘義務

柔道整体師は、業務上患者の秘密を知ることができる立場であるため、守秘義務が課せられます。
秘密とは他者に知られていない情報のことを指し、医療に関わらない内容も含まれます。施術するうえで知った患者についての情報を、正当な理由なく第三者に話してはいけません。

また、免許取消などにより、柔道整体師でなくなったあとも守秘義務は有効です。なお、守秘義務違反は告訴がなければ起訴できない親告罪のため、被害者や第三者が告訴しない限り、起訴されません。(第17条 秘密を守る義務)

広告の制限

近年、違法広告での検挙が目立っている背景から、国家試験でも出題されやすい項目となっています。

広告宣伝をしてもいいと認められているのは、以下の通りです。

  • 施術所の名前
  • 施術所の場所
  • 柔道整復師の氏名と住所
  • 施術日
  • 施術時間

これに加え、厚生労働大臣が指定する事項として、以下の事項も広告にのせることができます。(平成11年3月29日付け 厚生省告示第70号)

  • 医療保険療養費支給が申請できること
  • もみりょうじ・やいと・えつ
  • 小児鍼
  • 予約
  • 休日や夜間の施術
  • 出張の有無
  • 駐車場の有無

上記以外の内容を広告にのせると違反となってしまうため、注意が必要です。

柔道整復師法に違反したらどうなる?

柔道整復師法に違反したら、法律違反となり、当然ながら罰が与えられます。柔道整体師への罰金は、違反の内容により50万円以下の罰金と30万円以下の罰金の2通りです。

50万円以下の罰金になるのは、

  • 無許可で業を行った者
  • 虚偽や不正による免許取得
  • 守秘義務違反
  • 業務禁止処分を受けたにもかかわらず業務を続ける

といったものがあります。

30万円以下の罰金が科せられるのは、

  • 医師の同意なしに脱臼や骨折患部への施術
  • 広告制限違反
  • 業務停止命令が出たにもかかわらず業務を続ける
  • 施術所の届け出義務違反
  • 改善命令違反
  • 検査の拒否や妨害をした

といった違反です。

違反内容による罰金の違いは、試験にもよく出題され、実際に働くうえでも重要なことなので、きちんと押さえておきましょう。

まとめ:柔道整体師法の重要項目をきちんと理解しよう

柔道整復師の仕事は、柔道整復師法によって定められています。柔道整復師法をきちんと理解することは、柔道整体師の仕事を理解するうえで必要不可欠です。
国家試験を突破して、今後柔道整体師として活躍するためにも、まずは柔道整復師法の重要項目をしっかり頭に入れておきましょう。

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