2021年度版 鍼灸師の国試の予定までを総ざらい
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2021年の鍼灸師国家試験が終了し、次の国家試験まで新たな1年がスタートしました。鍼灸師になるための最後の関門である国家試験に挑むこの1年間を充実させ、合格の確率を高めるには、最終学年にすべきことと国家試験の内容をあらためて確認することが大切です。鍼灸師国家試験に合格して、社会で活躍できるよう今から対策を練っておきましょう。

目次

  1. 鍼灸師の資格取得までの流れ
    1. 資格取得までの流れ1:高校卒業後、専門学校に3年、または大学に4年以上通う
    2. 資格取得までの流れ2:受験資格を得た後、国家試験を受験する
  2. 鍼灸師の国家試験の開催日は
    1. 毎年2月下旬に行われる
    2. 合格発表は3月に行われる
    3. 試験はマークシート方式
  3. 国家試験を受けられるのは受験資格を持つ人のみ
    1. 大学に入学することができる者
    2. 国や都道府県が指定した学校に3年以上通った者
    3. 試験には卒業証明書や卒業見込み証明書が必要
    4. 受験には願書、写真、手数料が必要
  4. 2022年の試験を受けられるのは専門学校3年生と大学4年生
  5. まとめ:受験に向けてしっかりと準備を

鍼灸師の資格取得までの流れ

鍼灸師として働くためには、国家資格を取らなければなりません。「鍼灸師」という一つの資格があるわけではないので、鍼灸師と名乗っている人は「はり師」と「きゅう師」の2つの国家資格をそれぞれ取得しています。

まずは鍼灸師になるための流れを確認しておきましょう。

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資格取得までの流れ1:高校卒業後、専門学校に3年、または大学に4年以上通う

はり師、きゅう師の国家試験を受けるには、高校卒業後、国が認めた大学または専門学校に通い、専門的な勉強をしなければなりません。

決められたカリキュラムに沿って、知識や技能を身につけます。指定された科目の単位を取り卒業できないと、3年以上学校に通っても受験資格が得られません。1年生のうちから、しっかり勉強していきましょう。

多くの学校は鍼灸科を設置しているので、専門学校は3年間、大学では4年間で、はり師ときゅう師の両方の受験資格が得られます。2つの受験資格を得るために、3年ずつ6年間学校に通わなければならないわけではないので、安心してください。

資格取得までの流れ2:受験資格を得た後、国家試験を受験する

受験資格を得たら、国家試験を受験します。はり師ときゅう師の試験は同じ日に行われ、試験科目のうち、はり理論ときゅう理論以外は共通科目です。2つの資格を同時に取得する場合、共通科目はどちらかが免除されます。

国家試験の概要は以下の通りです。

試験日 2022年2月27日
試験地 晴眼者 北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、鹿児島県、沖縄県
視覚障害者 各都道府県
試験科目 共通科目 医療概論(医学史を除く)、衛生学・公衆衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学概論、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、東洋医学概論、経絡経穴概論、東洋医学臨床論
はり師 はり理論
きゅう師 きゅう理論
試験形式 筆記試験(四択問題)
問題数 共通科目160問・はり理論ときゅう理論はそれぞれ10問(1問1点)
合格基準 6割以上で合格(各試験170点満点で102点)
受験手数料 1試験につき14,400円
受験書類受付期間 2021年12月1日〜12月17日
合格発表日 2022年3月25日

出典:厚生労働省「はり師国家試験の施行」「きゅう師国家試験の施行」、公益財団法人 東洋療法研修試験財団「第30回あん摩マッサージ指圧師国家試験 はり師国家試験 きゅう師国家試験 受験案内(PDF)」より編集部が作表

鍼灸師の国家試験の開催日は

試験は年に1回、1日で実施します。合格発表は試験からおよそ1ヵ月後です。

毎年2月下旬に行われる

試験の詳細は9月に厚生労働省から発表されますが、はり師、きゅう師の国家試験は、例年2月下旬の日曜日に行われます。不合格の場合は、翌年以降に再チャレンジすることになります。

学生であれば、ほとんどの人ははり師ときゅう師の国家試験を同時受験することになるでしょう。共通科目は1回受ければよいので、同時受験する人は共通科目12科目とはり理論、きゅう理論の合計14科目を受験します。

試験は、休憩を挟んで午前と午後に行われます。試験時間は、晴眼者が午前と午後のそれぞれ2時間10分、視覚障害者はそれぞれ3時間15分です。ただし、はり師またはきゅう師どちらか一方の試験を受ける場合は、午後の終了時間が10分早くなります。

2021年の国家試験では、以下のような当日スケジュールでした。

▽国家試験当日の流れ

晴眼者 視覚障害者
午前 午後 午前 午後
集合時間 8時20分 12時55分 8時10分 12時55分
説明開始 8時30分 13時 8時20分 13時
試験時間 9時〜11時10分 13時25〜15時35分 9時〜12時15分 13時25〜16時40分

公益財団法人 東洋療法研修試験財団「第29回あん摩マッサージ指圧師国家試験 はり師国家試験 きゅう師国家試験 受験案内(PDF)」より編集部が作表

合格発表は3月に行われる

合格者の受験番号は3月末に、厚生労働省と公益財団法人東洋療法研修試験財団のホームページ上に掲載されます。

過去10年の合格率は、はり師、きゅう師どちらも70〜80%程度です。2018年のように難易度が高ったためか、合格率が低い年もあるので、十分な試験対策が必要です。

▽はり師国家試験 受験者数・合格者数・合格率の推移

はり師国家試験 受験者数・合格者数・合格率の推移
(画像=はり師国家試験 受験者数・合格者数・合格率の推移)

出典:公益財団法人 東洋療法研修試験財団「過去の受験者数」より編集部が作図

▽きゅう師国家試験 受験者数・合格者数・合格率の推移

きゅう師国家試験 受験者数・合格者数・合格率の推移
(画像=きゅう師国家試験 受験者数・合格者数・合格率の推移)

出典:公益財団法人 東洋療法研修試験財団「過去の受験者数」より編集部が作図

最近では、卒業後すぐに働き始められるように、最終学年に進級した時期から就職活動を始めて、試験対策が本格化する12月前には内定が出ている学生も少なくありません。

内定は鍼灸師の資格が取れるものとして出されているので、不合格になることがないようにしっかりと試験に向けた勉強をしていきましょう。

試験はマークシート方式

試験はマークシート方式の筆記試験のみで、実技試験はありません。視覚障害者は申請することで、問題用紙への直接解答や点字による解答などが認められます。

国家試験に実技試験がないのは、実技は3年間の学校実習で十分に身につけられているとみなされているからです。

しかし、学校によって実技の評価基準がバラバラでは困るので、専門学校の3年生を対象に、実技の外部評価試験「はりきゅう実技評価審査」が実施されるようになりました。学校の先生ではない審査員が、統一した基準で技術力を評価します。

審査の実施時期は学校によって異なりますが、夏から秋にかけて行う学校が多いようです。学校によっては審査に合格しないと卒業できないので、国家試験対策だけでなく実技の習得も抜かりがないようにしましょう。

国家試験を受けられるのは受験資格を持つ人のみ

受験をするために必要な要件と手続きを確認しておきましょう。

大学に入学することができる者

大学に入学できる者とは、高校を卒業している人や高等学校卒業程度認定試験(高認)に合格した人などです。

ただし鍼灸科のある専門学校の入学資格は、大学受験資格がある者に限られています。現在、鍼灸科に通っている人は、この資格はすでにクリアしているはずです。

国や都道府県が指定した学校に3年以上通った者

はり師、きゅう師の国家試験を受けるには、文部科学大臣の認めた大学や、厚生労働大臣または都道府県知事が認めた養成学校に3年以上通い、合格発表までに卒業が決まっている必要があります。

試験には卒業証明書や卒業見込み証明書が必要

学生の場合、卒業が決定する前に国家試験の願書を提出して受験することになります。その際は、今年度で卒業できそうということ示す卒業見込み証明書を学校から受け取り、願書と一緒に提出します。すでに卒業している人は、母校から卒業証明書を発行してもらいましょう。

卒業見込み証明書を提出した人は、3月中旬までに卒業証明書を提出し直します。卒業できなかったり卒業証明書を提出しなかったりした場合は、受験したとしても今年の試験は無効になってしまい、翌年にもう一度受験しなければなりません。

受験には願書、写真、手数料が必要

受験を希望する際は、卒業証明書や卒業見込み証明書以外とともに、願書と写真も提出します。また、手数料が1試験につき1万4,400円かかります。

▽受験手続きに必要なもの

必要書類 受験手数料
受験願書 写真
(6ヶ月以内に撮影)
卒業見込み証明書
または卒業証明書
1試験:1万4,400円
2試験:2万8,800円
(銀行振込)

出典:厚生労働省「はり師国家試験の施行」「きゅう師国家試験の施行」より編集部が作表

2022年の試験を受けられるのは専門学校3年生と大学4年生

これまでお伝えした受験資格から、2022年の国家資格を受けられるのは、基本的に2021年4月時点で専門学校3年生と大学4年生です。(明治国際医療大学鍼灸学科など3年生から受験可能な大学もあります)

現在、この学年でも卒業できなければ受験資格を得られません。座学や実技の授業をきちんと受けて、卒業まで真面目に取り組むことが大切です。

2021年やそれ以前の国家試験に不合格だった人も、2022年の試験を受けられます。

最終学年は、通常に授業に加えて就職活動や国試対策と忙しくなるので、1、2年生のうちからしっかりと知識と技術を習得しておきましょう。

まとめ:受験に向けてしっかりと準備を

最終学年になると、通常の授業に加えて就職活動や国家試験対策で忙しくなります。卒業に必要な単位取得がぎりぎりになってしまうと、国家試験対策に影響が出ます。例年2月の国家試験に向け、着実に日々の学びを深めて合格を手にしましょう。

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