明るい?暗い!? 柔道整復師の将来性が高いと思われる5つの理由
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柔道整復師を目指す学生の中には、柔道整復師には将来性があるのか、長く活躍できる仕事・資格なのか、気になる方もいるでしょう。じつは柔道整復師は将来性が高いといわれる理由、そして柔道整復師として活躍できる場所や、現在と将来に考えられるニーズなどを深掘りし、解説します。新たな柔道整復師としての成功イメージを見ていきましょう。

目次

  1. 柔道整復師の将来性について
  2. 柔道整復師の将来性が高いと思われる5つの理由
  3. 柔道整復師は給与も安定。初任給と平均給与は
  4. 地域別に見る 柔道整復師の需要
  5. 手当と職域から見る ダブルライセンスの価値
  6. まとめ:大きく変化する柔道整復師業界。将来性は大きい

柔道整復師の将来性について

柔道整復師の現場から、柔道整復師の将来性について考えてみましょう。ポジティブ面とネガティブ面の両面を知ることで、柔道整復師の実際が見えてきます。

柔道整復師の将来性:ポジティブ面

柔道整復師は社会からのニーズが高い職業といえます。超少子高齢化の現代、体の不調を感じやすい高齢者が増えたことで、転倒によって負傷した方や日常的に体の節々に痛みを感じている方が治療院に多く訪れるようになりました。

個人院では、地域の高齢者が「身近な院」として継続利用してくれる可能性があります。

また、柔道整復師は機能訓練指導員としても活躍できます。機能訓練指導員は、運動機能に障害がある方に対してリハビリ指導を行えます。

機能訓練指導員は介護施設でのニーズが高い資格です。特別養護老人ホームでは、機能訓練指導員を最低1名配置しなければならず、資格取得者は重宝されます。福祉関連の施設の需要は、高齢者の増加に比例することから、柔道整復師の需要がなくなることはないでしょう。

さらに、柔道整復師はスポーツトレーナーとして活躍することもできます。プロスポーツ選手だけでなく、部活を頑張る学生や市民アスリートにも貢献できます。柔道整復師は捻挫などスポーツでよくある怪我の治療を行えるのが強みです。

柔道整復師は接骨院や整骨院だけでなく、介護分野でも活躍できる資格です。さまざまな施設で経験を積めば、患者の悩みに広く応えられる柔道整復師として重宝されることでしょう。

柔道整復師の将来性:ネガティブ面

このような将来性の高さから、柔道整復師の数が増えているのは覚えておきたいところです。厚生労働省がまとめた「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、2008年時点の柔道整復師の数が4万3,946人だったものが、2018年には7万3,017人まで増加しています。

供給が需要を上回ってしまった場合、思うように活躍の場を得られない柔道整復師が出てくる可能性があります。長く働ける柔道整復師になるために、常にスキルを向上するために努力し、ノウハウを蓄積して高いスキルを有する治療科を目指しましょう。また、柔道整復師の資格に加えて別の資格も取得し治療の幅を広げるのも手です。

柔道整復師の将来性が高いと思われる5つの理由

柔道整復師の将来性についてさらに深掘りしていきましょう。ここからは、柔道整復師の将来性が高いと思われる理由を5つ紹介します。

柔道整復師の将来性が高いと思われる理由1:活躍の場が多い

前述の通り、柔道整復師の活躍の場はどんどん広がってきています。接骨院や整骨院のイメージが根強くありますが、介護施設やリハビリ施設、整形外科があるクリニックなどでも柔道整復師の求人が多くあります。サロンのセラピストとして活躍する柔道整復師も少なからずいます。

ケガをしたときだけでなく、治療後のリハビリや慢性的な痛みの緩和にも柔道整復師のスキルを役立てられることから、今後も活躍の場は広がっていくことでしょう。

柔道整復師の将来性が高いと思われる理由2:需要が高く「売り手市場」

柔道整復師の資格保持者のニーズは高く、2019年の有効求人倍率は3.84でした。職種全体の1.55と比べて高く、求人数に対して応募者数の割合が少ないことがわかります。業界全体で人材不足で「売り手市場」であるのが特徴です。

人材不足のため求人も他の業界に比べて給与が高いものが多いようです。休日数の多さなど、福利厚生制度が充実した職場への就職も可能でしょう。職場環境やキャリアプランの整った大手グループ院への就職もしやすい状況といえるでしょう。

柔道整復師の将来性が高いと思われる理由3:独立開業が可能

柔道整復師は将来的には独立開業が可能なため、年齢に関係なく長く活躍できる可能性があります。独立開業すれば定年退職もありませんし、人気の治療院になれば一般的な会社員よりも多くの収入を得られるでしょう。

会社員の給与が低い地方でも、独立開業なら多くの収入を得られるかもしれません。開業を目指す方は、独立までに、医院運営に必要なさまざまなスキルを習得しておきましょう。

1つの院の運営にとどまらず、複数の院を運営するなど事業規模をどんどん拡大する手もあります。開業を考えているのなら、どのような形、規模で経営したいのかもイメージしておくといいでしょう。

柔道整復師の将来性が高いと思われる理由4:スキルや資格の掛け合わせで時代のニーズに即したサービスを展開できる

鍼灸師と合わせてダブルライセンスを取得するだけでも、活躍の場が広がります。あん摩マッサージ指圧師、その他、介護福祉士などリハビリに関連する資格で、高齢者ニーズに応えるサービスを提供できるようになります。

アスレティックとレーナーの資格を取得して、治療もできるスポーツトレーナーを目指すこともできます。アロマセラピストなど、美容関連の資格を取得し女性向けのサービスを展開することもできるでしょう。

時代のニーズを汲み取りそれに即した資格やスキルを取得すれば、人気の柔道整復師として活躍できる可能性が高まります。

柔道整復師の将来性が高いと思われる理由5:健康への意識の高まり

「人生100年時代」といわれる今、健康寿命を延ばしたい人、健康への関心が高い人は多くいます。また新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、さらに健康意識が高まっています。

体に気になる不調が表れたとき、病院よりも身近な治療院に向かう人は多くいます。また、健康寿命の延伸を考え、不調が起こる前に体を整える意味で治療院を訪れる人も少なくありません。

「コロナ禍でも健康な体を維持したい」と運動をはじめる人が増えると、運動中にケガを負ってしまう人も増え、柔道整復師の出番も多くなるはずです。

柔道整復師は給与も安定。初任給と平均給与は

柔道整復師の給与は、経験年数とスキルを重ねることで高くなっていきます。

厚生労働省がWebサイト上に公表しているデータによると、柔道整復師の平均年収は426.4万円とのことです。地域や経営規模によって年収にはばらつきがあり、300~400万円が平均帯と考えられます。

給与は経験年数やスキル、資格によって上がり、院長やエリアマネージャーなどの役職になると、600~800万円ほどになることもあります。

東京は新卒でも月給30万円の可能性

では新卒で就職した場合、初任給はどのくらいになるのでしょうか。東京の求人を見てみると、「経験不問もしくは新卒・資格取得予定者可」でも、月給25万円以上の求人が数多くあります。なかには30万円という求人もあり、卒業後すぐから高い給与を受け取れる可能性があります。

▽柔道整復師が属する主な職業分類の統計データ

全国平均 東京都
就業者数
119,920(人)
13,170(人)
労働時間
163(時間)
167(時間)
賃金(年収)
426.4(万円)
403.6(万円)
年齢
38.1(歳)
34.4(歳)
求人賃金(月額)
25.7(万円)
22.6~28(万円)
有効求人倍数
2.3
2.38

引用:厚生労働省・職業情報提供サイト 柔道整復師より編集部に作成

注意したいのが「みなし残業代」の存在です。「みなし残業代」とは、想定される残業時間分の賃金が、あらかじめ給与に含まれていることです。求人によっては、みなし残業代が含まれているために給与が高くなっていることがあります。みなし残業代を設定している治療院は月20〜40時間ほどの残業が発生していることが多いので、支給される給与のうち、基本給がいくらでみなし残業代がどれくらいふくまれているのか、また「実際には月どの程度の残業があるのか」確認することをおすすめします。

地域別に見る 柔道整復師の需要

柔道整復師のニーズは地域によって大きな差があります。患者の多さはおおよそ人口に比例するため、人口が多い大都市では需要が高い傾向にあります。

▽都道府県別の人口と施術所数

都道府県 人口(千人) 施術所数(件)
大阪 8,813 6,922
東京 13,822 6,197
埼玉 7,330 2,985
高知 706 231
島根 680 107
鳥取 560 72

都道府県別人口(総務省、統計局)衛生行政報告例(厚生労働省・平成30年度分)より編集部作成

柔道整復師が働ける治療院の数が全国でもっとも多いのは大阪の6,922ヵ所で、次いで東京(6,197ヵ所)、埼玉(2,985ヵ所)と続きます。反対に治療院の数が全国でもっとも少ないのは鳥取の72ヵ所で、島根(107ヵ所)、高知(231ヵ所)と続きます。

地域別の求人件数は

ある医療系求人サイトの地域別求人数を見ていきましょう。

▽地域別求人数

地方 求人サイトA 求人サイトB
都道府県:求人数 都道府県:求人数
関東 東京:1,290
神奈川:653
東京:6,071
神奈川:3,004
関西 大阪:770
兵庫:316
大阪:3,870
兵庫:1,279
東海 愛知:347
静岡:107
愛知:1,616
静岡:592
北海道・東北 北海道:103
宮城:108
北海道:763
宮城:640
甲信越・北陸 新潟:24
長野:20
新潟:192
長野:171
中国・四国 広島:89
愛媛:50
広島:302
愛媛:167
九州・沖縄 福岡:331
熊本:62
福岡:1,421件
熊本:232件

※2021年7月19日現在

求人数から見ると、東京が圧倒的に多くなっています。人口の多さ、治療院の多さから当然の結果といえるでしょう。神奈川と大阪も、都市の規模が大きいことから求人数が多くなっています。

他の県では愛知、福岡、兵庫は柔道整復師のニーズが高い状況です。

手当と職域から見る ダブルライセンスの価値

ダブルライセンス所有者と、柔道整復師資格のみの者の給与にはどのくらいの差があるのでしょうか。就職先の違いについても紹介します。

ダブルライセンス手当はどのくらい?

シングルライセンス所有者への手当は、正社員では月10,000円〜30,000円とする治療院が多いようです。一方、ダブルライセンスの所有者は30,000〜50,000円の手当というのが相場のようです。

ダブルライセンスでどんな職場に就職できる?

柔道整復師と鍼灸師のダブルライセンスは、治療院だけでなくデイサービスなどの介護領域にもニーズがあります。ケガ等の治療を行う整形外科でも「ダブルライセンス歓迎」の要件があるクリニックもあります。

まとめ:大きく変化する柔道整復師業界。将来性は大きい

かつては地域の整骨院・接骨院の先生というイメージが強かった柔道整復師ですが、近年では活躍の場が広がっています。

各種資格を取得して対応できる業務の幅を広げれば、どのような業界でも活躍できる柔道整復師になれるかもしれません。自分はなぜ柔道整復師を目指しているのか、どのような柔道整復師になりたいのかをイメージしてみましょう。そこから必要な資格や就職先に求めるもの、将来のキャリアが見えてきます。

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