【柔道整復師の転職事情】転職理由や転職先の候補、将来性は?
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柔道整復師は、最初に勤めた治療院で働き続ける人は多くなく、将来的に転職する人が多いことで知られています。ですから、柔道整復師を目指す学生のなかには、転職した人の理由や転職先、どんな人が転職に成功するのかなど、さまざまな疑問を抱いている人も多いことでしょう。本記事では柔道整復師の転職事情について、詳しく解説しています。

目次

  1. どんな理由?柔道整復師が転職する理由
  2. 本当に転職できる?柔道整復師の将来性
  3. どんな場所で活躍できる?柔道整復師の転職先
  4. 転職を成功させる柔道整復師はどんな人?3つの特徴
  5. 自分のスキルに自信が持てるようになったら転職の検討を
  6. まとめ:転職で柔道整復師としての新たな道を切り開ける

どんな理由?柔道整復師が転職する理由

柔道整復師は、日本伝統の柔道整復術により治療を行う医療技術者です。医師以外では、単独で骨折・脱臼の整復固定を施すことが許されている日本で唯一の国家資格を持ちます。最近では、年齢や性別に左右されず、全国どこでも活躍できる職業として人気が高まっています。だからこそ、1つの施設で働き続けるのではなく、よりよい条件、よりよい環境を求め、転職を考える柔道整復師も少なくないようです。

では、柔道整復師が転職する代表的な理由を5つご紹介しましょう。

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柔道整復師が転職する理由1:スキルアップのため、次なる場所で活躍したい

柔道整復師は医療系の技術職です。そのため就職先で一定の技術を身につけたのち、さらなるスキルアップを目的に転職をする人が多くいます。接骨院から病院の整形外科や介護施設などまったく異なる業種に転職する人もいれば、接骨院から別の接骨院へと同じ業種間で転職をする人もいます。いずれにせよ、職場や業種を変えることで技術力や対応力を上げることが転職のねらいです。

柔道整復師が転職する理由2:より良い条件の職場を探したい

より良い職場環境や労働条件を目的に、転職する柔道整復師がいることも事実です。職場によっては、拘束時間が長く、休みが少ない場合もあるでしょう。また、働きはじめは特に給与が少ないことに対して不満を感じる人もいるようです。そこで、プライベート時間の確保や年収アップなどを目的として、新たな職場へ転職する人も多くいます。

柔道整復師が転職する理由3:人間関係のストレスを解消したい

柔道整復師の転職理由として、人間関係のストレスやトラブルなどがあります。柔道整復師の代表的な活躍の場である、接骨院や整骨院を例に考えてみましょう。接骨院や整骨院は、家族経営や少数のスタッフによって経営されている個人院も多数存在しています。このような個人院では、スタッフ間の距離が近く、アットホームで良好な人間関係を築いている場合がほとんどです。一方で、少人数の閉鎖的な空間であるがゆえ、スタッフ間で人間関係のトラブルが発生すると、関係修復が難しかったり、大きなストレスを感じたりといったこともあります。

また柔道整復師は患者様と1対1で対応する機会も多いため、患者様との関係にストレスを抱く人もいるようです。このような人間関係のストレスを解消するために、転職の道を選ぶ人もいます。

柔道整復師が転職する理由4:独立開業を目指すため

柔道整復師は開業が認められている「開業権」のある国家資格の1つです。柔道整復師として仕事をするうちに独立開業を目指す人もいますが、はじめから独立開業を視野に入れて柔道整復師を目指す人も少なくありません。独立開業を目指すうえで、複数の治療院で経験を積むことが重要と考え転職する人もいます。

なお、独立開業するにあたってはエリアマネージャーや院長など運営に携われるポジションを経験しておくとよいでしょう。そのため、エリアマネージャーや院長へのステップアップが望めるグループ院でキャリアを積むのがおすすめです。

柔道整復師が転職する理由5:妊娠・出産・育児・家庭などの事情

柔道整復師に限ったことではありませんが、妊娠や出産、健康上の理由、家庭の事情などにより仕事を続けることが難しい人もいるでしょう。このような場合、個々の状況を考慮し、働ける環境を提供してくれる職場へと転職する人もいます。

本当に転職できる?柔道整復師の将来性

柔道整復師の転職理由はわかったものの、「希望どおりの転職なんて、本当にできるものなの?」と疑問に思っている人もいるかもしれません。しかし実際には、柔道整復師の未来は明るく、転職もしやすいです。その理由をご紹介しましょう。

高齢者向け施設でのニーズが高まる柔道整復師

柔道整復師の転職先としてまずあげられるのが整骨院です。柔道整復師が最初に就職する先は大手グループ院などの整骨院と思われます。そのため、収書先で培ったスキルや経験をそのまま持ち込める点で、転職先も同業である整骨院となるケースは多いでしょう。

最近では、介護施設や福祉施設などの主に高齢者を対象とした施設に活躍の場を移す柔道整復師も増えています。近年は高齢社会が進み、デイサービス(通所介護)や特別養護老人ホームの数も増えており、介護業界での柔道整復師のニーズが高まっているのが一因です。これらの施設で柔道整復師は、機能訓練指導員として働くことができます。

機能訓練指導員は利用者それぞれの状態に合わせたケアプランを作成し、リハビリを行う重要かつ必要な職種です。柔道整復師でなくても、看護師や理学療法士、作業療法士などの有資格者であれば、機能訓練指導員を担うことはできます。しかし、病気や手術などで筋力が低下した高齢者のリハビリを行うことに特化した柔道整復師を、機能訓練指導員として雇用したいという声は多くあります。

実際に柔道整復師の求人・転職情報を見ると、整形外科クリニックや介護福祉施設などで機能訓練指導員を募集する求人が数多く掲載されている状況です。なかには、歩行改善強化型デイサービスや機能訓練型リハビリセンター、リハビリ特化型デイサービスなど分野に特化した施設の求人もあり、さまざまな施設で柔道整復師が求められていることがわかります。

どんな場所で活躍できる?柔道整復師の転職先

柔道整復師の主な転職先として、5つの職種をご紹介します。それぞれの職場・職種でどのように活躍できるのか確認してみましょう。

柔道整復師の転職先1:接骨院・整骨院

接骨院や整骨院は、柔道整復師の転職先として最もメジャーな職場といえます。骨折や脱臼、捻挫、打撲などの外傷性が明らかなケガに対する施術には、保険が適用されることも特徴です。なお、最近では保険適用外の自費診療を行う整骨院も増えています。保険メイン、自費メインどちらの整骨院を次の勤め先とするかは、自身が歩みたいキャリアをふまえたうえで検討するのがよさそうです。

柔道整復師の資格を取得後は、接骨院や整骨院に勤務する人がほとんどでしょう。他の接骨院や整骨院への転職であれば基本的な業務は変わらないため、前職のスキル・経験をそのまま持ち込めるのはメリットです。

接骨院や整骨院は個人経営のほか、複数の接骨院・整骨院を展開する事業者もあります。大手グループ院は、社員教育が充実していたり、独立開業をサポートしてくれたりするケースもあります。

柔道整復師の転職先2:病院の整形外科やクリニッック

病院の整形外科やリハビリテーション科、クリニックなども柔道整復師が活躍できる職場です。これらの職場では、主に医師や理学療法士の指示のもと、リハビリや整復補助などを行うのが特徴です。医師や看護師、理学療法士など、さまざまな医療分野の専門家と連携して治療を行うことで、医療に関する深い知識と経験を積むことができます。

柔道整復師の転職先3:介護福祉施設

昨今、柔道整復師に対する需要が急速に高まっているのが介護福祉施設です。介護福祉施設では、利用者が日常生活を送るために必要な機能改善や維持などを目的とした訓練指導を行います。前述のとおり、柔道整復師は「機能訓練指導員」として勤務できるのが特徴です。またデイサービスで勤務する場合、利用者の送迎業務を担うことも多く、運転免許証必須の施設もあります。

柔道整復師の転職先4:スポーツトレーナー・パーソナルトレーナー

スポーツ選手個人やスポーツチーム、企業などと契約し、スポーツトレーナーやパーソナルトレーナーとして勤務する柔道整復師もいます。スポーツトレーナーとひと口にいっても以下のようにさまざまな職種があり、各協会の認定資格を取得するなどし、分野に特化したトレーナーとして活躍する人もいます。なお、スポーツトレーナー・パーソナルトレーナーの場合、個人事業主として業務委託契約を結ぶことが多く、厳密には転職ではなく、チームなどに「所属」するかたちになります。

▽柔道整復師が活躍できるスポーツトレーナー・パーソナルトレーナー関連の職種

  • アスレティックトレーナー
    スポーツ外傷・障害の救急処置やケガ・障害の予防、アスリートの健康管理などを行う
  • コンディショニングトレーナー
    トレーニングや試合前にアスリートの体調を整え、最もよいコンディションで競技が行えるようサポートする
  • ストレングストレーナー
    スポーツを行う人に対して、身体機能や筋力の強化指導を行う

なかには収入の安定を図るために、接骨院や整骨院で勤務しながら、スポーツトレーナーをしている、つまり掛け持ちで働いている柔道整復師もいるようです。

柔道整復師の転職先5:独立開業

転職とは少し異なりますが、柔道整復師のキャリアプランとして独立開業を目指す人も多くいます。治療院の従業員という立場では実現するのが難しい、年収1,000万円以上を目指すことも可能です。ただし、独立開業するには柔道整復師としてのスキルだけでなく、経営スキル、人材マネジメント力などさまざまな知識とノウハウが必要になります。

独立開業を目指す過程として経営を人材マネジメントについて学ぶために、院長職やマネジャー職を経験できる大手グループ院に就職する人も数多くいます。さらに、大手グループ院では、「のれん分け」やフランチャイズ制度を設けていることもあります。独立開業を目指す人は積極的に活用したいところです。

転職を成功させる柔道整復師はどんな人?3つの特徴

転職先の選択肢は豊富にありますが、誰でも簡単に転職でき、希望の職場に移れるわけでありません。では、どのような人が転職を成功させているのでしょうか。転職に成功する人の特徴を3つご紹介します。

転職に成功する柔道整復師の特徴1:常にキャリアプランをイメージしている人

転職がうまくいく人の特徴の1つは、今後の自分がどうありたいかというキャリアプランを常にイメージできている人です。たとえば、ある程度の能力が身についたら歩合制の治療院へ転職して収入アップを目指す、自分だけでなく家族のスタイルに合った職場を模索するなど、広い視野でキャリアプランをイメージすることが大切です。日々の忙しい仕事のなかでも将来のことを見据えながら働くことが大切です。

転職に成功する柔道整復師の特徴2:働きながら転職活動をしている人

働きながら転職活動をすることも、転職を成功に導くカギです。もちろん一度退職してから転職活動をすることもできます。しかし、自己都合での失業保険は3ヵ月しか支給されないため、転職先がなかなか見つからず、経済的にも苦しい状況に陥ってしまうケースもあるようです。そのため、退職後に転職活動をするのはおすすめしません。

多忙にはなりますが、働きながら転職活動をし、転職先から内定まで得ていることがベターです。退職後1カ月以内など大きなブランクなく次の勤め先で働きはじめるなどができれば経済的な不安もやわらぐでしょう。

転職に成功する柔道整復師の特徴3:柔道整復師としての技術力が高い人

どの職場においても、中途採用(キャリア採用)の人材に対しては高いスキルを求められ、即戦力として活躍してくれることが期待されます。だからこそ柔道整復師としての技術力が高く、期待に見合った仕事ができる人は転職もうまくいくでしょう。ただし、いいかえれば、柔道整復師として長く活躍していくことを目指すのであれば、技術を磨き続ける必要があるということです。向上心を持ち努力できる人であれば転職に成功する可能性も高いでしょう。

ただ、注意したいのは、整骨院それぞれで治療方法が異なる場合がある点です。そのため、自身が磨いてきた技術が、転職先の整骨院で必ずしも生かせるとは限りません。どのような治療を行っているのか、院としての治療方針など、面接の段階などで確認するようにしましょう。

自分のスキルに自信が持てるようになったら転職の検討を

転職しやすく、ニーズも高い柔道整復師ですが、ある程度のスキルが伴っていないと転職を成功させることは難しいかもしれません。たとえ転職できたとしても、周囲の期待と自身のスキルとのギャップに苦しんでしまうこともありそうです。

そのため、まずは自分が選んで就職した最初の職場でしっかりと技術力を磨き、その上で転職を検討するのがおすすめです。また転職しないとスキルアップできないというわけではないため、最終的に転職しないという選択もあります。将来設計に不安がある人は、まずは複数の接骨院や整骨院を運営する大手グループ院などに就職し、柔道整復師としての働き方のパターンを知ることもよいアイデアといえるでしょう。

まとめ:転職で柔道整復師としての新たな道を切り開ける

柔道整復師は、接骨院・整骨院をはじめ、介護施設や整形外科、スポーツトレーナーなど転職先の選択肢が豊富にあります。また各分野から求められている人材なので、転職のハードルも低く、さまざまなキャリアチェンジが可能です。まずは柔道整復師としてのスキルを磨き、今後自分がどうありたいか具体的な姿を思い描くことで転職を成功させることができるでしょう。これから柔道整復師を目指す学生も、常にキャリアプランをイメージして活動してみてください。

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