柔道整復師として開業するには何が必要?条件や手続きの流れを解説
(画像=tamayura39/stock.adobe.com)

資格を持っているだけでは、柔道整復師として開業はできません。開業するには「施術管理者」としての要件を満たし、「施術所開設届」をはじめとした、さまざまな書類の提出が必要です。本記事では、柔道整復師の開業に必須の条件や、手続きの流れを解説します。

目次

  1. 柔道整復師が独立するメリット・デメリット
  2. 柔道整復師の開業に必須の条件
  3. 柔道整復師の開業に必要な手続き
  4. まとめ:計画的に開業準備を進めよう

柔道整復師が独立するメリット・デメリット

独立時の手順を説明する前に、柔道整復師として開業するメリット・デメリットを説明します。

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柔道整復師が独立するメリット

整骨院や接骨院に勤務する場合、治療院ごとの方針に沿って施術を行うことになります。その一方で独立すると、自ら治療方針をたてて施術を行えるのが利点です。

また、柔道整復師の平均年収は300~400万円ですが、独立し、地域で信頼を得られればリピートいただく患者様なども増え1,000万円以上の高収入を実現すことも夢ではありません。企業と違い定年がないため、何歳になっても仕事を続けられる点も魅力です。

培った経験や知識を活かして、自身の技術で勝負したい人に向いています。

柔道整復師が独立するデメリット

柔道整復師として独立・開業しても、楽に収益を上げられるとは限りません。

柔道整復師の施術所数は、年々増加しています。安定収入を得るには、他院との差別化を図り、厳しい競争に勝ち抜く必要があります。サラリーマン勤めではなくなるため、毎月安定した収入が得られるとは限らず、売上が伸びない場合は不安定な経営が続くことになります。

たとえ柔道整復師としての腕があっても、それだけでは成功するとは限りません。経営を成り立たせるには、マーケティング・接客・経理・スタッフ管理などスキルも身につける必要があります。経営感覚がない人は、独立開業しても失敗する可能性が少なくないといえます。

グループ院でスキルを磨いてから独立するのがおすすめ

経営スキルが乏しい状態で独立すると、失敗につながりかねません。そのため開業を目指しているなら、まずはグループ院へ就職してキャリア経験を積むのも選択肢のひとつです。

グループ院で院長やマネージャーに昇格すれば、整骨院の経営に関われます。整骨院で発生するお金の動きを理解したり、スタッフの管理に携わったりすることで、運営に関する経験が積むことができます。

また、グループ院は研修制度が充実しており、技術面に加えて経営に必要なノウハウも学べるのがメリットです。社内研修に限らず、外部が主催している研修に参加できることもあります。

さらに院長やマネージャーは一般スタッフに比べて高年収です。約500~700万円の年収を得られるため、独立に必要な資金づくりも行えます。

柔道整復師の開業に必須の条件

開業するには、施術管理者になるための要件を満たす必要があります。施術管理者とは、施術療養費の受領委任の取扱いを管理する人を指します。

従来は、柔道整復師の資格があれば開業できました。しかし2018年4月以降は、実務経験と2日間の施術管理者研修が必須です。資格取得後、すぐに独立はできません。

実務経験の期間は、施術管理者の届出をする時期によって異なります。

▽施術管理者になるための実務経験の期間

届出時期 実務経験の期間
2018年4月~2022年3月 1年間
2022年4月~2024年3月 2年間
2024年4月以降 3年間

また、整骨院を開業する人の多くは、柔道整復師会のような同業者団体に加盟しています。開業支援や保険請求代行などを行なう組合で、開業や経営に関するサポートが受けられますので、開業前に一度、問い合わせをしてみると良いでしょう。

柔道整復師の開業に必要な手続き

開業時は、複数の公的機関へ書類を提出しなければなりません。開業手続きの流れを見ていきましょう。

なお、提出先によって書類の様式や添付書類が異なる場合があります。

施術所開設届を提出

管轄の保健所へ「施術所開設届」を提出します。開設後10日以内が提出期限なので、遅れないように気をつけましょう。開設届は保健所で入手できます。

提出する際は、以下の書類の添付が必要です。

▽施術所開設届のために必要な書類

  • 柔道整復師免許の原本と写し
  • 施術所の平面図
  • 最寄り駅からの案内地図
  • 定款の写しと登記簿謄本(法人の場合のみ)
  • 賃貸契約書の写し(施術所が賃貸の場合のみ)

受領委任契約に関する届出

保険請求をする際は、管轄の地方厚生局へ書類を提出し受託委任契約を行う必要があります。保健所の受領印がある「施術所開設届の写し」に加え、以下の書類が必要です。

▽保険請求のための受託委任契約に必要な書類

  • 確約書
  • 誓約書
  • 柔道整復施術療養費の受領委任の取扱に係る届け出
  • 柔道整復施術療養費の受領委任の取扱いに係る申し出(同意書)
  • 実務経験期間証明書
  • 施術管理者研修修了証の写し
  • 柔道整復師免許の原本と写し
  • 施術所の平面図
  • 施術所の周辺図
  • 施術管理者選任証明(開設者と施術管理者が異なる場合のみ)

共済組合・防衛省への届出

上記の受託委任契約に、共済組合や自衛官関係の保険請求は含まれません。

国家公務員は共済組合連盟、地方公務員は地方公務員共済組合連合会へ届出が必要です。自衛官関係の保険は、防衛省へ申請します。

▽共済組合に提出する書類

  • 申請書(様式第1号)
  • 確約書(様式第2号)
  • 柔道整復師免許の写し
  • 返信用封筒

▽防衛省へ提出する書類

  • 申出書(様式第1)
  • 確約書(様式第2)
  • 柔道整復師免許の写し
  • 返信用封筒

労働基準局へ労災保険の届出

労災保険を取り扱うには、管轄の労働基準局へ申請が必要です。書類提出後に審査が行われ、1~3ヵ月程度で結果が通知されます。労働局長による指名を得られれば、労災保険の取扱いが可能です。

主に必要な書類は以下のとおりです。

▽労災保険取り扱いのための届け出に必要な書類

  • 申請書
  • 同意書(柔道整復師が複数いる場合のみ)
  • 確約書
  • 受任者選任届(法人の場合や、開設者と受任者が異なる場合のみ)
  • 施術所開設届の写し
  • 柔道整復師免許の写し
  • 施術所の平面図
  • 施術所の周辺図
  • 指定薬局 指名機関登録(変更)報告書

その他の届出

生活保護を取り扱う際は、福祉事務所へ必要書類を提出しましょう。申請書や誓約書を記入し、免許証の写しの添付が必要です。

また個人事業主として独立する場合は、納税地を所轄する税務署へ届出書を提出します。マイナンバーを記載した届出書を提出する際は、本人確認書類の提示もしくは写しの添付を求められます。

まとめ:計画的に開業準備を進めよう

柔道整復師は開業するには施術管理者になる必要があります。ただし、その前に開業することのメリット・デメリットをしっかりと把握しましょう。

いざ独立開業するとしても、公的機関への申請手続きのほか、施術所の場所を選んだり資金調達先を検討したりと、たくさんの準備が必要です。

独立までの道のりは簡単ではありませんが、しっかり計画を立てて準備を進めれば、良いスタートが切れるでしょう。

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