柔道整復師・鍼灸師の転職活動 失敗しないために押さえておきたいポイント7つ
(画像=takasu/stock.adobe.com)

現役の柔道整復師・鍼灸師の皆さんの中には、転職について一度は考えたことがある方もいるのではないでしょうか。キャリアアップや職場の人間関係、雇用条件が合わないなど理由はさまざまですが、「満足いく職場を選ぼう」という気持ちは同じはずです。そこで、転職活動に失敗しないために押さえてほしいポイントを7つにまとめました。

目次

  1. ポイント①:転職活動は退職前・退職後のどちらが良いのか
  2. ポイント②:在職中の転職活動は時間の有効活用がカギ
  3. ポイント③:今までのキャリアをリセットする覚悟はあるか
  4. ポイント④:その自己評価は適切か
  5. ポイント⑤:中途だからこそ社風を細かく確認
  6. ポイント⑥:採用担当者は面接前から評価している
  7. ポイント⑦:退職の仕方を軽視しない
  8. まとめ:転職は余裕と覚悟を 前職との関係も大切に

ポイント①:転職活動は退職前・退職後のどちらが良いのか

転職活動をする時期は、「在職中に仕事と並行して次の職場を探す」か「退職後、時間的にゆとりを持って次の職場を探す」の二つです。個々人の事情に合わせてどちらかを選びますが、おすすめするのは「在職中に次の職場を探す」ことです。

退職後に転職活動をする場合、すぐに次の職場が決まらなければ、無収入の期間が続くことになり、生活に対する不安から「この会社でいいか」と妥協して就職先を決める可能性も出てきます。妥協したために次の職場でも不満がたまり、早期退職を検討することになりかねません。

仕事と並行して転職活動をすることは時間的な制約も多く、時には休日を利用して転職活動をしなくてはならないなど、面倒な面もあります。しかし就業中であれば収入が途切れるわけではないので、じっくりと希望の転職先を探すことが可能です。

またもしかしたら、他社と比較する中で今の職場の素晴らしさを再認識するかもしれません。転職活動を行うほどなので、どうしても今の職場の嫌なところばかりが目に付き、早くこの環境から抜け出したいと思う気持ちは理解できますが、可能なら在職中に次の職場を探したほうがよいでしょう。

ポイント②:在職中の転職活動は時間の有効活用がカギ

とはいえ、在職中に転職活動ができるイメージが湧かない人も多いのではないでしょうか。診療中に外出はできませんし、夜まで診療しているので診療終了後に企業を調べるのも現実的ではありません。

こんな時は、人材紹介会社の活用も検討しましょう。自分で会社を調べる手間や面接日程の調整、待遇面の事前交渉などを代行してくれるので、働きながら余裕を持って転職活動を行うことができます。

注意が必要なのは、人材紹介会社を使って転職する際は企業側に「紹介料」が発生することです。この紹介料は、求職者を採用した企業が年収の2〜3割など決められた金額を人材紹介会社に支払います。

そのため、安くはない紹介料を支払ってでも獲得する価値がある人材なのかを直接応募するより厳しく見極められることを考慮しましょう。

人材紹介会社を選ぶときは、大手企業、個人院いずれにもネットワークがある会社を選んだ方が転職先の選択肢が広がります。

※ちなみに、求職者が人材紹介会社を利用する際の料金はほとんどの場合無料です。

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ポイント③:今までのキャリアをリセットする覚悟はあるか

治療や運営に対する考え方は会社ごとに違います。転職するということは、その会社の考え方に合わせるということです。仮にあなたが今の職場で身に付けた技術を使いたいと考えても、その会社で使用が認められるとは限りません。

特に複数院を運営するグループ院は、店舗の治療の品質を保つために技術・運営方法は統一されていることが珍しくありません。

さらに、やり方が違うということは一からのスタートになるということです。今まで培ってきた経験を捨てろというわけではありませんが、経験したことをいったんしまい込み、未経験の新人の気持ちで学ぶ覚悟がないと入社後に伸び悩むことになります。

前の職場と技術や考え方が違う場面に出会うたびに戸惑うのは当然ですし、「前はこうだった」と前職と比較したくなる気持ちは理解できます。

しかし、前の職場に何かしらの不満や限界を感じたから新しい環境を求めたのではないでしょうか? 今までと違うやり方に抵抗があるということは、自分が何も変わろうとしていないのだと自覚すべきです。覚悟を持って成長することに貪欲でないのなら、今の職場に残ることも選択肢に入れましょう。

ポイント④:その自己評価は適切か

鍼灸整骨院業界の就活は人材紹介サービスがおすすめ? メリット・デメリット解説」でもお伝えした通り、転職希望者の中にはこれまでの経験が邪魔して自分の立ち位置を客観的に把握できていない方もいます。

安定しているグループ院は教育がしっかりしているため、地域の方に支持をされて他のライバルより繁盛して成長しています。教育のレベルと臨床経験の豊富さが成長を左右する仕事なので、国家資格取得後の経験年数が倍あったとしても、治療家としてのスキルは自分の半分に満たない若い先生の方が上ということも珍しくない業界です。給与・ポジションなどを前職並みや前職以上の評価を求めることが正しいか、改めて冷静に考えてみましょう。

ポイント⑤:中途だからこそ社風を細かく確認

会社には働き方や学び方について独特の文化があります。いわゆる社風と呼ばれるもので、社員は今まで働いていた職場で慣れ親しんだ社風を無意識に身に付けています。短期間で退職する場合を除き、一定期間を職場で過ごせていたということは、その社風に心地良い部分があったはずです。

例えば、勉強会を業務時間外に開催する治療院と業務時間に組み込んで開催する治療院があったとします。前者の社風は「成長のために自分の時間を使って学ぼう」ですし、後者の社風は「成長も大切だが、自分のプライベートも大切にしよう」という社風です。どちらが正しいではありません。どちらが自分に「合う」かです。

自分の時間を使って学びたいという意欲がある治療家が後者の会社にいたら、「勉強したいのに勉強させてくれない」と不満を感じますし、後者の社風の治療家が前者の会社にいてもやはり同じ思いを持つことでしょう。

転職先の待遇や教育、勤務地にどんなに魅力があったとしても、社風が合わなければ毎日の仕事が精神的に辛くなります。面接の際などでは、社風について遠慮せず細かく確認しましょう。

ポイント⑥:採用担当者は面接前から評価している

採用担当者は面接だけで人物評価をしません。面接前から転職希望者の人となりを見ています。学生ではなく社会人として見られていることを考え、必要最小限のビジネスマナーを習得しておくことも必要です。

「面接場所に早めに到着し、受付は面接の5分前」といったビジネスマナーをいくつご存知ですか?

例えば、13時から面接の予約をしていた求職者がいたとします。当日、早めに到着したので15分前に受付に来たとします。この時、採用担当者はどう思うでしょうか。「相手の都合を考えない自分勝手な人だな」と考えます。

なぜなら、採用担当者は前の予定が入っていたかもしれません。時間的にお昼休み中だったかもしれません。相手にも予定がある可能性を考えられず、「早く到着したから遅刻するよりはマシだろう」という、自分の都合で行動していることに気付いていないのです。

採用担当者は面と向かって指摘はしませんが、「治療家という“人対人”の仕事で成果が出せる人材ではない」と判断される可能性が高いでしょう。求職者に悪気はなくとも、ビジネスマナーを知らないだけで損をしてしまうのです。

マナーというと堅苦しく聞こえて苦手な方も多いと思いますが、相手のことを思いやる行動だと考えれば覚えておいて損はありません。面接前後の注意点は別の記事で改めてお伝えしますので参考にしてください。

ポイント⑦:退職の仕方を軽視しない

「今の職場とは縁が切れるから」と、自分の都合を押し通して退職することは可能な限り避けましょう。特に治療院業界は狭い世界です。多くの治療家はライバルであると同時に、この業界を盛り上げていきたいとお互いに情報交換しながら切磋琢磨しています。社長同士、幹部同士、採用担当者同士は、想像以上につながっているものです。

自分勝手な理由で、強引な退職の仕方をすれば、ふとしたきっかけで瞬く間に伝わります。例えば、「弊社に今度入社した社員は、御社のところにいた人ですよ」と話に出てきたときに、前職で強引な退職をしていたらどうでしょうか。また、その会社が欲しい技術や情報が元の職場にあった時に、今の職場の社長や先輩から、元の職場とのつながりを期待されたらどうでしょうか。

退職するということは、会社に残っている誰かにあなたの仕事のフォローをすることになるので、元の職場とまったくわだかまりがないということはないと思います。「飛ぶ鳥跡を濁さず」ではありませんが、できるだけ迷惑をかけず円満退社を目指したいものです。

前職でお世話になった人たちからも「退職はしたけど何かあったら協力してあげよう」と思ってもらえる関係を続けられる退職をするように行動していきましょう。

まとめ:転職は余裕と覚悟を 前職との関係も大切に

転職を意識するということは、今の職場に何らかの不満があるかキャリアアップしたいという意欲の表れです。しかし、転職活動は簡単ではありません。収入が途切れないことを考えると就業中に次の職場を決めたいところですが、転職活動の時間をつくることも容易ではないのでしょう。また、転職するにあたっては自身の市場価値やキャリアがリセットされることを冷静に考える必要があります。それらを踏まえて新しい職場に飛び込む覚悟が必要です。

転職の際は社風などを細かく調べ、後悔のないようにしましょう。もちろん退職にあたってはこれまでお世話になった会社に迷惑がかからないよう十分に配慮することも大切です。今回の記事を参考に自分の望み通りの職場への転職を成功させてください。

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