鍼灸整骨院への就職は人材紹介サービスがおすすめ? メリット・デメリット解説
(画像=fizkes/stock.adobe.com)

鍼灸整骨院業界は他業界と比べて就職情報が極端に少ないという特徴があります。そこで選択肢に上がってくるのが人材紹介会社の利用です。今回は、人材紹介サービスのメリット・デメリットについて解説します。

目次

  1. なぜ鍼灸整骨院業界の就職情報は少ない?
  2. 人材紹介会社のメリット4つ
  3. 人材紹介会社のデメリット4つ
  4. まとめ:紹介会社と自己応募を上手に使い分けよう

なぜ鍼灸整骨院業界の就職情報は少ない?

冒頭でも触れましたが、なぜ鍼灸整骨院業界では就職情報が少ないのでしょうか?

他の業界であれば、書籍・雑誌やインターネットなど情報を入手する手段が多様で、企業のホームページだけでは分からない特色を比較しながら就職先を検討するのが一般的です。最近では求職者と企業をマッチングするサイトもありますが、情報が豊富で求職者が自ら企業との相性を判断できるからこそ成り立っているとも言えます。

これに対し、鍼灸整骨院業界は企業のホームページ以外で情報を入手できる手段が少なく、求職者が自分に合う会社なのかを事前に判断するのが難しくなります。就職説明会が学校内で開催される場合は複数の企業と直接触れ合う機会がありますが、説明会を開催していない学校の学生や就業中で就職活動の時間があまりとれない社会人は、人材紹介会社を利用することも選択肢の一つとなります。

注意しなければならないのは、柔道整復師・鍼灸師は医療系の国家資格者であるため、一般的な人材紹介会社に登録しても紹介先企業がほとんどないということです。そのため、治療院業界専門の人材紹介会社を利用して就職活動をすることになります。ただし、人材紹介会社の利用にはメリット、デメリットの両面があります。それを理解し、状況に応じて利用を検討することが希望の就職先を見つけるポイントです。

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人材紹介会社のメリット4つ

メリット①:自分にマッチした就職先を探す時間と手間が省ける

人材紹介会社は求職者のニーズにマッチした企業を紹介しようと、日頃から企業と直接接触して求職者がインターネットで調べても出てこない最新の情報を持っています。企業側も優秀な人材を採用するために、最新の会社情報や取り組みを人材紹介会社に提供しています。

人材紹介会社を使うことで、求職者は自分で企業を探す時間と手間を省きながら、パンフレットやインターネットでは分からない各企業の違いを把握して、自分の希望に合う企業をじっくり比較できます。また、登録先の人材紹介会社の担当者(転職エージェント)から、企業の社風や成長度合いなどの情報を得られることも人材紹介会社を活用するメリットです。

メリット②:給与などの条件交渉を代行してくれる

安心して働くために、給与や勤務時間、賞与、福利厚生などの条件交渉は大切です。特に、ご家族がいらっしゃる方にとっては前職の給与が維持されるのか、ダウンするならどの程度で、どうすれば元に戻るのかなどは生活に直結するだけに気になります。しかし、企業側の心証を損ねることを恐れ、直接要望を確認するのは難しいものです。

とはいえ確認せずに入社すれば、早期退職につながるケースもあります。紹介会社を利用すると、担当エージェントを通じて企業に条件を交渉してもらうことができます。

メリット③:履歴書の添削・模擬面接などのサポートがある

鍼灸整骨院業界は超売り手業界であるが故に、学生に対して就活情報や準備のサポートが不足しがちです。転職者も学生時代の就活経験が乏しく、転職活動の準備で何をすべきか分からず悩む方も多いそうです。

紹介会社では、担当者が求職者と一緒になって将来像を考えてくれます。面談を通じて、自分だけでは気付かなかった夢や目標に気付かせてくれ、実現するために必要なスキルや就職先まで整理してくれます。また、希望の就職先から少しでも高い評価を得られるように、履歴書の書き方のアドバイスや添削、模擬面接などを実施してくれるので当日安心して面接に臨むことができます。

メリット④:転職の方向性について客観的なアドバイスをしてくれる

転職希望者の中には、これまでの経験が邪魔をして自分の立ち位置を客観的に把握できていない方もいます。たとえば来院数が少ない院で院長を経験していた先生が、来院数が多く繁盛している院に転職を希望した時に、院長待遇にこだわっていたら転職活動は果たしてうまくいくでしょうか。

シビアな話になりますが、企業側からすれば「その実績で院長が務まるだろうか。スタッフから始めてくれるなら良いのだが…」と見送られる可能性が高いでしょう。しかし、求職者にもこれまでの経験というプライドがあるでしょうし、指摘する人が周囲にいなければ無駄な転職活動を続けることになります。

紹介会社では、数多くの企業を見てきたプロの視点で客観的に現在の立ち位置をアドバイスしてくれるため、スムーズな転職活動が期待できます。

人材紹介会社のデメリット4つ

求職者にとって何かと便利な存在の人材紹介会社ですが、必ずしもメリットばかりではありません。注意すべきポイントをまとめてみました。

デメリット①:企業と求職者のマッチングだけを考えて紹介しているわけではない

人材紹介サービスはボランティア事業ではありません。求職者の入社が決定した段階で人材を紹介した企業から紹介料を得る仕組みになっています。求職者の入社が決まらないと人材紹介会社は収益につながらないわけです。

もちろん、基本的には求職者の希望にマッチする就職先を考えてくれますが、エージェントによっては、本当はもっとピッタリの会社があったとしても紹介料をより高く支払ってくれる会社を優先して勧めてくることもあります。また、採用基準が厳しかったり、求職者の経歴では採用の可能性が低かったりする会社よりも、過去に採用実績があり採用確率の高い会社を中心とした紹介に偏ることもあります。

デメリット②:ある程度決まった就職先以外は紹介されない

人材紹介会社を利用するのは、紹介料を払える会社だけになります。紹介料を払っても採用したいということは、その会社が安定的に成長している表れでもありますが、全ての会社が紹介料を払えるわけではありません。採用費に余裕のある会社は限られます。そのため、求職者が紹介を受ける会社はある程度決まった会社になります。

採用方針として紹介会社を使わないと決めている会社もあります。また、毎年のように求職者から人気を集めており、人材紹介会社を使わなくても希望する人材を採用できる会社もあります。企業が人材紹介会社と取引していない(人材紹介の依頼をしていない)のであれば、当然ながら求職者にその企業が紹介されることもありません。

もしかしたら、紹介料を払えない・払わない会社の中に自分が本当に行きたい会社があるかもしれません。自分で応募したら入社できたかもしれない会社に、人材紹介会社を利用したばかりに入社できなくなるのです。

読者の中には、「そうした会社は自分で探して応募するから問題ない」と考える方もいるかもしれません。しかし、紹介会社を利用すると大半の求職者はたくさんの就職先の情報を提供されることに満足してしまい、自分で探さなくなりがちです。こうなってしまうと、当然ながらその会社とは出会えません。

デメリット③:他の候補者と比較されて断られる可能性が高くなる

企業は毎年、採用人数を決めています。採用枠に余裕がある場合はあまり問題になりませんが、例えば候補者が2人いてどちらか1人を選ばなければならないような場合、紹介会社経由の候補者は紹介料が掛かる部分をシビアに見られることになります。

紹介料は求職者が考える以上に高額です。そのため、企業は人材紹介会社からの採用には慎重になります。自己応募の候補者と比較して飛び抜けて優秀だと判断されない限りは、紹介料を払わなくて済む自己応募者の方が有利です。ライバルの候補者も紹介会社を利用したとしても、その候補者の企業側の評価が少しでも高ければ当然断られます。

では、もしライバルの候補者の評価が少し高くても、自分が自己応募だったら? 逆に紹介料のかからないあなたの方が採用される可能性が高まります。また、こうした状況が発生するのは、多くの方が就活を始める国家試験受験後であることも念頭に置きながら、紹介会社と自己応募を上手に使い分けるのが希望の就職先を見つける大きなポイントとなります。

デメリット④:転職エージェントの当たり外れが大きい

基本的に、就職先を紹介する担当者(転職エージェント)は自分では選べません。求職者に対する熱量も担当者によって異なります。親身になって相談に乗ってくれて、求職者のアピールポイントや懸念事項を事前に企業側に確認してくれる担当者もいれば、求職者を商品のように扱って希望をあまり考慮せず、「売れそうな企業に売れればいい」というスタンスの担当者も一部います。

担当者が紹介実績を査定される毎月の締め日が近くなると、じっくり考えたいという求職者の意向を気にせず就職先の決断を求める担当者もいます。担当者が勧める企業が自分の意志とは違うと感じた場合は、遠慮せず担当者の変更を希望したり、違う紹介会社の利用を検討したりしましょう。

まとめ:紹介会社と自己応募を上手に使い分けよう

紹介会社を利用することが全て悪いわけではありません。希望の就職先を見つけるためには、紹介会社と自己応募を上手に使い分けることが重要です。ただ、企業側の視点で考えると自己応募の方が採用される確率が高くなります。

自分の将来を決める大切な就職活動です。紹介会社を利用すれば担当者が企業を紹介してくれるなど手間が省けて楽ですが、ぜひ自分自身の時間を使って自分のやりたい事を整理して、就職先を探してみてください。

自分自身で将来を真剣に考えて就職活動をした経験は、就職後も社会人、治療家として成長するための壁が現れた時に役立ちます。「あの時に真剣に就職先を考えた自分を信じて頑張ろう」と乗り越える土台になるはずです。できる範囲で構いません。自分でも就職先を探してみましょう。

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