ジャパン模試の問題作成委員会のメンバーで歯科医師の山本浩嗣さん
(画像=ジャパン模試の問題作成委員会のメンバーで歯科医師の山本浩嗣さん)

ジャパン模試の問題作成委員会のメンバーで歯科医師・山本浩嗣さんのインタビュー。前回(出題傾向どうやってわかるの?)は、患者数が増加している病気に関する問題が国家試験で出題されやすい傾向にあることを聞きました。今回のテーマは、国家試験の受験直前に効果的な勉強法とは?

目次

  1. パラメディカル、医療に不可欠の存在
  2. 人生100年時代に期待する柔整師・鍼灸師の役割とは
  3. 優先科目と捨て科目の見極めが明暗を分ける!

パラメディカル、医療に不可欠の存在

――受験直前対策をお聞きする前に、山本先生ご自身について伺いたいと思います。先生は日本大学松戸歯学部で長く教授を務められましたが、ジャパン国試合格の講師やジャパン模試の問題作成委員会のメンバーとして、柔道整復師・鍼灸師の後進育成に努めるようになったきっかけは何だったのでしょうか。

きっかけは、高校教諭の経験もあるジャパン国試合格の三田(利幸)代表と知り合い、学生の個性を伸ばす教育方針に共感したからです。予備校の最大の使命は学生を国家試験(以下、国試)に合格させることですが、人間性やマナーといったものも同時に教えたいと私は考えていました。

加えてもう一つ理由があります。医療現場にはパラメディカルスタッフ(※)の存在が不可欠だというのを経験上感じていたからです。
※医師、歯科医師以外の医療従事者のこと。

医療現場は医師だけではとても成り立ちません。質の高い医療を提供するためには、看護師や薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師らがそれぞれの専門性を生かし、連携することが重要です。そしてもちろん、柔道整復師や鍼灸師の力も必要です。綺麗事のように聞こえるかもしれませんが、質の高い資格者を育てることで日本の医療に貢献したいというのが率直な思いですね。

そんな理由で、ジャパン国試合格の講師を10年間続けています。

――パラメディカルの存在が重要だと考えるようになったのには、どういった背景があるのでしょうか。

私は28歳で大学院の歯学研究科を修了するまで病理学講座にいました。病理学講座は患者さんの検体(体の一部の組織)を診断する部署で、臨床検査技師の方々と一緒に仕事をする機会が多かったのです。

病理組織検査の一つをとっても、検体を採取した後にパラフィンブロックや薄切り標本を作製し、顕微鏡で検体を観察しやすいように染色する作業が欠かせず、検査技師がいなければ仕事が前に進みません。

また、お亡くなりになった患者さんの死因を調べる病理解剖では、診断や治療のどこに問題があったのか様々な角度から調べます。そういった過程で、臨床医以外にも看護師ら様々な医療従事者が治療に携わっていたことを肌で知り、チーム医療の大切さを実感しました。

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人生100年時代に期待する柔整師・鍼灸師の役割とは

――「人生100年時代」を迎え、健康寿命を延ばすことが重視されるようになってきました。こうした中、未来の柔道整復師・鍼灸師に期待する役割について山本先生のお考えをお聞かせください。

長寿化が進み、日本人の平均寿命は男性が82歳、女性が88歳です。一方で、健康寿命は平均寿命より男性が9年、女性は12年も短いのです。この差を埋め、患者さんのQOL(生活の質)を上げていくにはどうすればいいのか。それには、柔整・鍼灸も含めたパラメディカルの力が必要でしょう。特に根本的な治療が難しいものに対し、東洋医学への期待は大きいものがあります。

また、自分自身、本人にしかない特徴のある柔道整復師・鍼灸師をぜひ目指してもらいたいですね。他の治療家と同じことをやっていても伸び代はありませんし、開業してもすぐに廃業の憂き目にあってしまうでしょう。

例えば、柔整と鍼灸の両方の資格を取るのもよいですし、少し変わった組み合わせでは栄養士の資格を取ってみるのもよいでしょう。治療家が施術を行うのは当たり前ですが、患者さんに栄養指導もできるとしたら頼もしいですよね。

別に資格にこだわる必要もありません。自分のキャラを確立できればよいのです。例えばスポーツトレーナーの場合、水泳選手のケアに詳しい、あるいは野球選手のケアに詳しいといった自分だけの強みを持ってもらえればと思います。

優先科目と捨て科目の見極めが明暗を分ける!

――では最後に、国試が直前に迫った受験生にこの時期ならではの対策と応援のメッセージをお願いします。

ジャパン模試の問題作成委員会のメンバーで歯科医師の山本浩嗣さん
(画像=ジャパン模試の問題作成委員会のメンバーで歯科医師の山本浩嗣さん)

残り日数が限られている今、どの科目に時間と労力を割くか、優先順位は把握できていますか? まだだという人は、過去3〜4年分の問題を見てどの分野・問題が一番出題されているか調べてください。過去問を古い順に解く人がいますが、最新のものから必ず始めてください。

過去問は最低3〜4回はやらないと定着しません。それも漫然と取り組むのではなく、「この科目はこの問題がよく出る」「自分はこの科目が苦手だ」などと自覚し、時間をかければ点数が上がると判断したなら、とことんかけてください。暗記物はかける時間が足りなければ、かける以外に対策はありません。

残り日数と科目数から逆算すると、1科目にかけられる勉強時間が分かります。時間をかけても点数が伸びないと判断した科目は思い切って捨てるのも一つの方法です。

一番効果的なのは今私が言ったことを自分で自覚することです。私も授業の中で学生に口すっぱく伝えてはいますが、他人から聞いただけではなく、自分で計画を立て、ノートに書いたり声に出して読んだりと「運動神経」を使い実行すれば、自覚していない学生と差が出てきます。

授業で過去問をやる時、ほとんどの学生が1ページ目から、つまり古い問題から解くのですが、私はあえて何もアドバイスせず、自覚を促すようにしています。意地悪なようですがショートカットできる方法なんてありません。

自覚した上でしっかり対策・実行すれば、必ず桜は咲きます。安心して計画立案してください。
(終わり)

山本浩嗣(やまもと・ひろつぐ)
1976年 日本大学大学院歯学研究科修了
1992年 日本大学 教授
2004~2008年 NPO日本口腔病理学会 理事長
2012年 ジャパン国試合格 非常勤講師
2016年 日本大学 名誉教授

(撮影・竹田靖弘)

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