国試に合格する人と落ちる人の違いとは? キョーブン塾人気講師インタビュー(上)
(画像=キョーブン塾の講師で東京柔道整復専門学校の教員・水野恵介さん )

模試では安全圏だったのに本番の国家試験でまさかの不合格――。

「悪夢のような話ですが、決して珍しいことではありません」。こう指摘するのは、既卒生を対象にした柔道整復師の国試対策講座「キョーブン塾」の講師で、東京柔道整復専門学校(東京都練馬区)の教員・水野恵介さんです。国家試験に合格する人と落ちる人の違いはどこにあるのでしょうか?

塾生から「宇宙一分かりやすい授業」と評される人気講師のインタビューを2回に分けてお届けします。

目次

  1. 真面目に勉強したのに浪人する人の特徴
  2. 「いきなり過去問に挑戦」が効率的な理由
  3. 国試本番、緊張に打ち克つ方法とは

真面目に勉強したのに浪人する人の特徴

――キョーブン塾は既卒者向けの国試対策講座とのことですが、どんな生徒が通っているのでしょうか。

東京柔道整復専門学校以外の他校も含め、全国から塾生が集まっています。今年度で言えば一番遠いのは青森と香川ですね。オンラインコースもあり、奈良や新潟から視聴している塾生もいます。

専門学校を卒業するまでの3年間、まったく勉強していなかったという塾生もいますが、逆にどうしてこんなに真面目なのに国試で不合格になったのだろうと不思議に思う塾生も少なくありません。

――真面目に勉強したのに不合格になった原因は何でしょうか。

さまざまな要因が考えられますが、知識はあるのに「問題の解き方」を知らない塾生が多いと感じています。僕は解き方にこだわっていて、資格試験、特にマークシートの試験は知識よりも「解き方でさばく」領域だと考えています。

知識を提供するのは講師なら当たり前のことですし、それを分かりやすく伝えるのも年次を重ねれば追求できることです。しかし、解き方の提供というのは少し斬新なのではないでしょうか。

その解き方を磨くために僕自身が資格試験を受け続けていて、薬学検定1級やNSCAというトレーナー資格のほか、介護福祉士や宅建、簿記など20個以上の資格を持っているほどです。

資格に挑戦するもう一つの理由に、学生に何かを伝えるとき、言葉に「パワー」を込めたいというのもあります。キョーブン塾の中には働きながら通う塾生もいます。そんな彼らに「仕事が大変なのは分かるけど、頑張ろうよ」と説得力を持って伝えるには、僕も仕事をしながら勉強しているんだという姿勢を見せなければならないと思ったのです。

――背中で教えようというわけですね。では、その解き方とは具体的にどういったものですか。

例えばですね。面白い傾向があって、教科書やレジュメを暗記してから問題を解く生徒と、問題を解きながら教科書を読む生徒では、断然後者の方が点数の伸びが良いんですよね。要は、ただ知識を持っているだけではアウトプットの練習になっていないということです。知識に加えて、「試験でこういう風に問われるから、こういう風に答えなきゃいけない」という感覚を身につける必要があるのです。

国試の問題の多くは、一定の知識をさまざまなバリエーションで出題しているだけです。その知識を覚えているのに問題を解けないという人は、解き方のバリエーションに対応できていないだけだと言えるでしょう。

ただ知識を入れるのではなく、どういう解き方で解くのか、もっと言うと受験の現場で図を書いて正答を導くのか、あるいは語呂で思い出すのか、体系的に理解していることが重要なのか、あるいは丸暗記で対応すべきなのか――。これらのことを、日頃から問題に向き合う中でトレーニングしたいものです。

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「いきなり過去問に挑戦」が効率的な理由

国試に合格する人と落ちる人の違いとは? キョーブン塾人気講師インタビュー(上)

――今のお話とも関連すると思いますが、読者の中には「勉強の仕方が分からない」という声も少なくありません。効果的な勉強法をアドバイスいただけないでしょうか。

勉強の仕方は人によってさまざまだと思いますし、国試を取得後に柔道整復師として腕を磨いていくことを踏まえるとまた違うかもしれないのですが、こと国試対策に限って言うなら、過去問をいかにやり込むかにかかっていると思います。

先ほどの話と重なりますが、その際、教科書を暗記してからやるのではなく、いきなり過去問に取り組むことが重要です。問題を解くというよりは、問題を読んで、該当する知識を探すという感覚でやってみてください。

そうすることで、解き方と必ずセットになって知識が入ってくるので、アウトプットの練習も同時に兼ねることができます。

ただ、最初の授業でそのことを塾生にアドバイスすると、非常に驚かれますね。真面目な塾生ほどまず暗記をやりたがるので、それを止めてあげるところから新年度が始まります。

――問題を読んで該当する知識から探すとのことですが、該当する知識というのは自分の中に持っている知識ということでしょうか。

いいえ、自分にないものですね。だから僕は「過去問1周目」と呼んでいるのですが、塾生に「過去問に初めて取り組むときは分からなくて当たり前なんだよ。例えば選択肢の1問目に取り組む際、問題を解こうとするのではなく、教科書やレジュメのどこを見れば正解が分かるんだろうという感覚で探してみて」と伝えています。

――その際、過去問の答えをいきなり見るのもありでしょうか。

はい。実は答えを見てもよいと考えています。理想を言うなら、解説が付いている問題集を使うのがよいでしょう。と言うのは、答えや解説をすぐ読み、教科書の該当の部分に飛んで勉強した方がパフォーマンスを上げやすいからです。

勉強で最優先すべきは、全教科の内容をいち早く押さえることです。例えば、「1問解くのに1時間かかった。今日は3時間しか勉強できなかったから3問しか解けなかった」というのでは、結局ウィークポイントを後日に回すだけです。大事なのは何よりスピード感です。

――つまり、まずは国試の問題の全体像をつかめということでしょうか。

そうですね。例えばコーレス骨折の問題には強いのだけれども、大腿骨骨折の問題が出たらまったく対応できないというのは、国試対策としては最悪ですね。「過去問1周目」は問題を解くつもりでなく、教科書を読むための材料として使うぐらいのイメージで考えてもらえればと思います。

国試本番、緊張に打ち克つ方法とは

国試に合格する人と落ちる人の違いとは? キョーブン塾人気講師インタビュー(上)

――国試まで残り2ヶ月を切りました。いよいよ焦り始めている受験生も多いと思います。この時期に適切な勉強法や心の持ちようについて教えていただけますか。

問題の解き方をマスターすることはもちろんですが、やはり後は気の持ちようでしょう。不合格者には共通する特徴があるように思います。それはプレッシャーへの弱さです。

普段の模試で合格圏内の点数だった学生が本番で緊張から震えていることがあります。泣き出してしまう学生もいます。そうなったとき、大事なのは受験現場で開き直れるかどうかでしょう。

開き直る方法は一つしかありません。「もうこれ以上は1秒も上乗せできなかった」「この試験会場で一番勉強したのは自分だ」と胸を張れるぐらい、本番までに勉強することです。そうすれば、予想外の問題が出てきても慌てることはないでしょう。(下に続く

水野恵介(みずの・けいすけ)
慶応義塾大学卒業後、大手電機メーカーで営業・販売促進部門を10年ほど担当。持病のため退職したのち、「健康の大切さを多くの人に伝えたい」との考えから東京柔道整復専門学校に入学。卒業後、トレーナー活動の傍ら母校で国試対策チューターを経験。2014年に入職、2015年に柔道整復専科教員免許を取得し、現在に至る。

(撮影・髙橋明宏)

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