働きながら浪人 時間の使い方も変わった 国試浪人の体験談(下)
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現役時代は不合格に終わったものの、勉強方法を見直して翌年に国家試験合格を果たした柔道整復師の先生の体験談の2回目。前回(浪人1年 勉強方法を変えたら合格できた)は、結果が出ない時に勉強方法を見直すことの大切さを教えてもらいました。今回は、暗記で工夫したことや勉強時間の確保の仕方のほか、2回の受験を通して後輩に伝えたいことを話してもらいます。

目次

  1. きれいなノート作りは意味がない
  2. 隙間時間にアプリとYouTubeで勉強
  3. 年明けからは勉強時間を倍に
  4. 後輩に向けて伝えたいこと
  5. まとめ:結果が出ない勉強方法は思いきって変えよう

きれいなノート作りは意味がない

皆さんは、ふだんの勉強でどんなことを工夫していますか?

私の場合、浪人してからまず暗記の方法を工夫しました。暗記をする時、ノートに書いているだけでは覚えられないので、声に出すようにしたのです。

必修問題などは発生機序から骨折、骨の転移とか変形、合併症とか、整復してからの包帯の流れなど、全部声に出して覚えました。

他に工夫したことは、科目ごとに11教科分の自分だけの教科書的なノートを作ったことです。不得意な科目でも何となく解けるところはノートにはまとめていません。何回勉強してもどうしてもピンとこないところや不安になるところだけをまとめました。

試験会場に持っていったのは黒本とこの自作ノートだけです。このノートも現役時代とは作り方を変えました。

現役の時は言ってみれば自己満足のノートでした。「きれいにノートをまとめられて嬉しい!」みたいな感じです。きれいなノートは自己満足に過ぎないと分かったので、2年目は書き方などを全部変えました。

具体的に変えた部分は、たくさんの種類のペンを使わないようにしたことです。1年目は色々なマーカーや付箋とペンを使ってカラフルなノートにしていたのですが、2年目はオレンジ色の赤いシートを被せると消える暗記用のマーカーと青ペン、シャーペンしか使っていません。見た目ではなく暗記に特化した実用的なノートを作成しました。

また、解剖や生理、病理の各科目の理解を深めようと、絵をたくさん描くことも心がけました。特に舌や食道、胃、肝臓などの内臓系は全部描きました。

人体の頭部から順番に「口に食べ物が入ったらこうなって、次に食道に移動したらこうなって…」みたいに分け、「解剖学ではこう、病理学ではこう…」と絵を描きながら勉強しました。ですので、先ほど11冊のノートを作ったと話しましたが、正しくは12冊になりますね。

さらに、現役時代は全教科を漫然と勉強していましたが、思いきって捨てる科目を作ることにしました。本来は全教科できた方がよいのですが、完全に分からない内容の問題や、最新過ぎる内容の問題は捨てることにしたのです。

問題数の多い解剖や生理、柔理に時間を使うようにして、数問しか出題されないものは捨てました。

整骨院で働きながら勉強をしていたこともあり、移動時間に勉強するようにもなりました。暗記する際に声に出して覚えたと言いましたが、それを録音や録画しておき、移動時間に視聴していました。

勉強する環境も自分に合った環境を選ぶようにしました。私は、シーンと静まっている環境だと集中力がなくなるのです。逆に、少しガヤガヤしたところやTVがついている場所の方が集中できます。自分に合った勉強場所を選ぶと効果的です。

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隙間時間にアプリとYouTubeで勉強

浪人時代、勉強を本格的に始めたのは10月頃です。それまでは必修問題や得意な部分を時々見返していたくらいです。ただ、学生時代から必修問題が得意だったので、基礎はできていたのだと思います。

私が働いていた整骨院では、国試対策の先生が定期的に来て授業をしてくれていたのですが、先生が作ってくれたテストでも悪い点数ではなかったので、勉強のやり方は間違っていないと自信を持つことができました。

社会人になって大きく変わったことが時間の使い方です。現役の時の悔しい気持ちは味わいたくなかったので、「何かやらなくては」という使命感がすごく強かったです。でも、診療時間中は当然勉強できないですし、仕事が終わった後に身体を休めることも大切です。

そこで、隙間時間を大切にするようにしました。コツコツやり続けると意外と馬鹿にならない時間が確保できます。片道30分の通勤時間のほか、お昼休みや仕事中に手が空いた時などの細かい時間をうまく使って時間を確保したら、1日で計90分、260日続けたら計390時間にもなります。

これは、仕事以外の時間を削らなくても1日3時間の勉強時間を130日分も確保できる計算になります。特に移動時間はまとまった時間を確保できるので、携帯に解剖学のアプリやGUPPYという過去問が5年分くらい入っているアプリを入れて勉強したり、YouTubeの「メディカルZチャンネル」という国試対策チャンネルを見たりしていました。看護学生向けに内臓について解説したチャンネルも見ていました。基礎を分かりやすく解説してくれて、特殊なところまでやらないのでおすすめです。

年明けからは勉強時間を倍に

年が明けても勉強のやり方は特別変わりませんが、勉強の時間はだいぶ変わりました。仕事も休職し、勉強中心の生活を送りました。午前9時から午後9時頃まで勉強していました。

学生の頃は授業以外の勉強時間は多くても5~6時間ほどだっただけに、2年目は倍の時間を勉強したことになります。

黒本中心の勉強が基本なのは変わりません。気晴らしに問題が解きたくなったら過去問を解いていましたが、必ず黒本で理解するようにしていました。

試験前日と試験中、そして試験翌日はすごいハイでした。不安で寝られないというより、ワクワク感みたいな、「わ~、明日だ!」という自信があるような自分でも分からない感じでした。

学生の時に「落ちたらどうしよう」みたいな感じだったのとは大きな違いです。浪人してから勉強方法を変えましたし、勉強量も段違いだったので、「やることをやりきった」みたいな感じだったのだと思います。

職場の上司や仲間も、国試の勉強で休職する前に「落ちても気にしなくていいよ。戻ってくる場所を作ってあるから」と言ってくれ、安心することができました。

後輩に向けて伝えたいこと

最後に、2回の国試受験を通じて後輩の皆さんに伝えたいことがあります。まず、勉強方法は人それぞれであり、友人の勉強方法に合わせる必要はないということです。

私が学生の頃、仲が良い友人同士で勉強する機会が多かったのですが、それぞれ得意な科目が違っていました。私が苦手な科目を得意な友人に教えてもらっていたのですが、その時は理解できても自分が他人に教えられるくらいまで理解していないので、実際に試験問題を解く時に分からなくなっていました。

だから、友人同士で勉強することは悪くないと思うのですが、「周りがこの教科を勉強しているから私も同じ科目を勉強しよう」という勉強の仕方ではない方がよいと思います。

特に年明けからの2ヶ月は黙々と一人で勉強をすることをおすすめします。友人と一緒に勉強していると理解したつもりになって、自分が苦手な分野かどうかも分からないで無駄な時間を使ってしまうものです。

結局、苦手な分野がそのままになっているので成績は伸びません。それなら、自分の課題を把握して一人で勉強した方がよいです。認定実技審査は皆でやった方がむしろよいのですが、国試対策ではあまりおすすめしません。

また、現役の学生だったら、学校の先生に遠慮なく頼ってください。勉強していて分からないことがあればすぐに質問することはもちろん、自分が勉強をする習慣付けのためにも声をかけてみてください。

例えば毎週、曜日を決めて「水曜日に2時間、この科目を教えてください」「過去問を用意してもらえますか」「先生のオリジナル問題をください」などとお願いしてみてはいかがでしょうか。

卒業して独学で試験勉強をしていたからこそ実感するのですが、せっかく学生なのだから身近にいる先生を頼らないのはもったいないですよ。

そして、体調には十分に気を付けてください。特に試験直前は、勉強のプレッシャーで気疲れしてしまう人がたくさんいました。

私は眠くなったら寝るというスタイルで体調管理をしていました。「毎日12時に寝よう」と決めていても、「勉強しないとヤバイ」という気持ちが強すぎて眠れないのです。眠れないでベッドにいる時間が長くなるぐらいなら、寝る時間を気にせず勉強した方が良いと思います。

ただ、一つだけ守ってほしいことがあります。それは、国試の時間に合わせて朝は起きることです。どんなに寝る時間が遅くても、毎日起きる時間は国試の時間に合わせていました。

最後の2か月間は、国試を想定して起床時間を調整していました。国試当日は午前9時30分から試験が開始します。その時間に脳が全開に働くようにすることで勉強してきたものを全て出せるようにしてくださいね。

まとめ:結果が出ない勉強方法は思いきって変えよう

いかがでしたか。今回の体験談から感じたことは、結果が出ない原因を振り返り、原因が分かったら今まで慣れ親しんだやり方を思い切って変えることの大切さです。また、環境が変わっても工夫次第で自分がやりたいことを実現できること、圧倒的な量を実践することが自信につながり望む結果を手にできることを教えてもらいました。社会人の方だけでなく、学生の皆さんにとっても参考になる部分がたくさんあると思います。ぜひ参考にして日々の勉強に取り入れてみてください。

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